日本オラクルは、サンドラッグが、全国に展開する店舗の運営および業務を担うストア・コンピューターのクラウド化に「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を採用したことを発表した。「Oracle Cloud VMware Solution」を活用し、既存のIT資産を活かしながら、移行における期間、コスト、リスクを最小限に抑え、ストア・コンピューターをOCIへ全面移行する。
サンドラッググループは、2023年9月30日時点で国内1,404店舗にてドラッグストアおよびディスカウントストアを展開。国内店舗網のさらなる拡大を図り、利便性の高い店舗開発、高齢化社会を見据えた専門性の強化およびローコスト・オペレーションを支える様々な仕組みを創出している。その一環として、店舗運営および業務のさらなる生産性向上に向け、デジタル推進を掲げている。
電子棚札、セルフスキャン、セミセルフレジ、賞味期限チェック、自動発注など、サンドラッグの店舗運営および業務支援システムは、ストア・コンピューターと連携して稼働している。現在のストア・コンピューターは、データセンター内のオンプレミス環境上で、1店舗あたり1仮想マシン環境を構築し、約100店舗を1ハイパーバイザーで集約しながら運用している。
昨今の店舗数の拡大にともなうオンプレミスのVMware環境の増強には莫大な追加投資がかかるため、ストア・コンピューターを迅速かつ柔軟に増設するためにパブリック・クラウドの活用を決定した。その際に、現在稼働する1,400店舗分のVMware環境も全面的にクラウド移行することを想定し、OSやミドルウェアを含むシステムや運用管理への変更を最低限に抑えることに加え、移行期間の短縮化、移行コストの低減も求めていたという。サンドラッグは複数のクラウドサービスを検討した結果、これらの要件を満たし、クラウド移行後も自社でVMware環境を制御可能な「Oracle Cloud VMware Solution」を選定した。
サンドラッグは、「Oracle Cloud Lift Services」のフィジビリティ・スタディとPOCの支援により、移行の課題や懸念を整理・解消。「Oracle Cloud VMware Solution」などのOCIのスキル習得や、日本オラクルのコンサルティングサービス部門と緊密に連携し、現在毎月数百店舗ごとのペースで、OCI上でのストア・コンピューター環境の構築、移行を開始。今後の店舗数拡大を想定し、2025年3月までに、現在の1,400店舗を超える数のストア・コンピューター環境がOCI上に構築、移行される予定となっている。また、これらのストア・コンピューターと連携する本社業務システムのデータベース基盤もOCI上に移行する計画とのこと。
サンドラッグは、この移行を起点とし、OCIで提供される広範かつ最新のクラウド・テクノロジーやデータベース・サービスなどを活用し、レガシー・システムから脱却し、ビジネスの変化に迅速かつ柔軟に対応可能なIT基盤への進化とデジタル変革を加速していく考え。