動画を積極的に活用していくことで、企業は多くの情報を消費者に伝えられます。特にECで効果を上げるためには、魅力的な動画を発信することは有効な手段のひとつだといえるでしょう。 この記事では、動画作成サービスの種類や選定時のポイント、費用の目安などを解説します。
ECで動画を使うメリットを紹介
EC市場が拡大するなか、競合他社との差別化を図るためには、動画を活用したマーケティングが有効な手段となります。ここでは、ECサイトに動画を導入するメリットや成功事例を紹介します。
得られる3つのメリット
動画を作成することで得られるメリットとして、おもに次の3点が挙げられます。
- 伝えられる情報量が多い
- わかりやすく伝えられるので、ユーザーの記憶に定着しやすい
- SEO対策としても有効である
動画は短時間で多くの情報を伝えたい場合に向いています。3分という短い尺であれば、その間に読める文字数には限りがありますが、動画なら3分間でも多くの情報を伝えることが可能です。
次に、動画は映像や音声、グラフィックなどの多様な表現方法を用いることができるので、ユーザーの記憶に残りやすいといった特徴があります。商品のイメージを動画で伝えれば、企業とユーザーとの間で認識のずれが起こりづらいでしょう。
また、作成した動画は配信用のプラットフォームにアップロードするだけでなく、自社のWebサイトなどにも掲載できます。サイトに動画が掲載されていれば、ユーザーの関心を惹きつけやすくなるだけでなく、サイトの滞在時間も長くなることが期待できるため、SEO対策としても有効だといえるでしょう。
動画を導入して成功した事例
次に、ECにおける実際の動画導入事例を3例見てみましょう。
ozie(オジエ)
シャツの通販を軸としている「ozie」では、シャツの選び方やネクタイの結び方など、日常的に役立つ情報を動画で配信しています。動画配信のゴールをozieの認知度アップと位置付けており、公開した動画のSEO対策(VSEO)も併せて行っている点が特徴的です。 また、よく視聴されている動画については、テキストページも作るなどして相乗効果を高めています。
ABEMA Shopping
「ABEMA Shopping」はABEMA TVが運営しているショッピングサイトであり、放送した番組に関連するグッズなどを販売することで集客効果を高めています。バラエティ番組を観ているかのような感覚で動画が作られており、商品名よりも番組名を目立たせている点も特徴的です。
ニッセン
株式会社ニッセンが運営するファッション通販「ニッセン」では、ファッションやインテリアなどの商品を取り扱っており、ECサイトでは動画コンテンツを活用しています。
サイズの採寸方法や社員による商品解説、実際に着用して歩く姿など、多種多様な特集動画を確認できるようになっているため、ユーザーが購入後の詳細なイメージを抱きやすくなっています。各動画は1分ほどの短い尺でまとめられており、インパクト重視の動画構成となっています。
動画作成サービスの費用はいくらかかる?
動画を自社で作成する場合は、無料の動画作成サービスやソフトを活用すれば手軽に作ることができます。一方、外部に動画制作を依頼する場合は、費用対効果を考えてどの程度の範囲まで依頼するか決めておきましょう。
ここでは、動画を作成するコストについて解説します。
外部に依頼する場合の費用相場の目安
動画作成には、企画、構成、撮影、編集といった工程があります。そのため、外部に作成を依頼する場合は、依頼内容を明確にしたうえで相場を把握しておくことが重要です。
依頼する内容や会社によって費用は異なりますが、大まかな費用の目安としては以下のとおりです。
- 企画、構成:5〜50万円程度
- 撮影:5~40万円程度
-
編集:5~30万円程度
※ただし、撮影方法やエキストラの有無など会社によって費用は異なります。
企画段階から外部委託した場合は費用がかさみますが、自社で一部作業を行ったうえで外部に委託すれば、費用を節約できます。
動画を作成する目的や社内リソースの有無を確認して、どの作業内容を外部に依頼するか決めましょう。
無料の動画作成サービスやソフトも活用してみよう
動画の作成にかかるコストをできるだけ抑えたい場合は、無料で使える動画作成サービスを積極的に活用するのもひとつの手段です。インターネットで検索すれば多くのサービスを見つけられるので、複数のサービスを比較しながら自社の環境や目的に適したサービスを選びましょう。
無料の動画作成サービスの中には機能の一部が制限されているものもありますが、初心者にとっては余分な機能がないほうがかえって使いやすいこともあります。スマートフォンなどで動画を撮影して無料編集ソフトで編集すれば、手軽に動画の投稿が行えるはずです。
動画作成サービスを選ぶときの比較ポイント
動画作成サービスを利用する選定基準を明確にしておくと、自社に適したサービスを選びやすくなります。ここでは、選定時の比較ポイントを見ていきましょう。
外部に依頼するときのチェックポイント
動画作成を外部に依頼するときは、作りたいジャンルの動画で豊富な実績のある会社を選びましょう。競合他社の動画を多く作成している会社であれば、これまでの制作実績を確認できるため、イメージしやすいはずです。
また、制作会社の専門性をチェックするために、積極的に企画の提案などを行ってもらうとよいでしょう。コミュニケーションが円滑かどうか、作りたい方向性の動画を一緒に作成できる会社であるかを見極めることが大事です。
さらに、動画作成サービスを提供している複数の会社から見積りを取り、適正な相場かどうかをチェックすることも重要です。費用対効果を考えながら、自社に合った会社を選びましょう。
無料の動画作成サービスを選ぶポイント
無料の動画作成サービスを選ぶ際は、初心者でも扱いやすい操作性を備えているかどうかを確認しましょう。初めて動画作成に取り組むときは、シンプルな設計のもののほうが扱いやすいはずです。
また、作りたい動画を編集できる機能が備わっているかもチェックしておく必要があります。いくら使いやすかったとしても、求める動画を作成する機能がなければ、別のサービスの利用を検討したほうがよいでしょう。
さらに、オンライン上で動画編集が行えるか確認しておくこともポイントです。オンラインでの編集が可能であれば一般的なスペックのPCでも編集できるので、編集時にPCのフリーズに悩まされることがありません。
このような点に気をつけて、動画作成サービスを選んでください。
おすすめの動画作成サービスを8つ紹介
おすすめの動画作成サービス・ソフト提供事業者8選
Crevo/Crevo株式会社
「Crevo(クレボ)」は2,000社以上の豊富な制作実績を備えており、アニメーションから実写まで幅広いジャンルで動画を作成しています。YouTube広告やHow To動画などにも対応しており、専属スタッフが打ち合わせの段階からしっかりとサポートしてくれるので初めての利用でも安心です。
Video BRAIN/株式会社オープンエイト
「Video BRAIN(ビデオブレイン)」は法人向けの動画編集ツールで、550社以上の導入実績があります。 手持ちの素材を入れるだけで手軽に動画作成が可能で、PowerPointを扱っているかのような直感的な操作性も魅力です。初めて動画作りを行うときも安心して利用できます。
LOCUS/株式会社LOCUS
「LOCUS(ローカス)」は取引者数が1,700社、動画制作実績が15,000本以上と豊富にあり、官公庁や大手企業などで導入されています。実写からアニメーション、3DCGなどに対応した800名以上の動画クリエイターが対応してくれます。
また、YouTubeチャンネルの運用や内製化支援など、動画をどのように活用すべきかの提案も積極的に行っているのが特徴です。
Borderless/株式会社ボーダーレス
「Borderless(ボーダーレス)」は動画を作成するクリエイターが、打ち合わせや企画の提案、納品までを一貫して行ってくれます。動画作成にまつわる作業のすべてを内製化しているため、短納期や予算の限られた案件にも柔軟に対応してくれるのが特徴です。
ムビハピ/株式会社アジアピクチャーズエンタテインメント
「ムビハピ」はTV番組のようなクオリティの動画を作りたいときにおすすめのサービスです。大企業の制作実績が多数あり、ターゲットの興味や関心を惹きつける動画作成を強みとしています。
VYOND/株式会社ウェブデモ
「VYOND(ビヨンド)」はアメリカGoAnimete.Inc.,が2007年に開発を開始した、アニメーションに特化した動画作成サービスです。数千種類のテンプレートが用意されており、テンプレートと素材をパワーポイント感覚で組み合わせるだけでアニメーション動画作成を短時間で行うことができるのが特徴です。
RICHKA/株式会社RICHKA
「RICHIKA(リチカ)」は初心者でも手軽に動画を作成できるサービスで、簡単なものであれば数分で動画を作ることも可能です。定額制であるため、コストを抑えながら動画を作りたい方におすすめで、配信プラットフォームに適したフォーマットを1,400種類以上用意しています。動画を活用した広告配信もサービスとして提供しているのが特徴です。
PROOX/株式会社プルークス
「PROOX(プルークス)」はコンサルティング型の動画制作を得意としており、単に動画を作るだけでなく依頼元の商品・サービスの強みを生かした提案を行っています。これまでの取引社数は2,000社を超え、5,000本以上の制作実績があります。予算にあわせた提案を柔軟に行ってくれますし、編集作業のみの依頼や短納期での納品にも対応しているのが特徴です。CM制作から商品説明に関する動画、展示会用の動画など幅広いジャンルで対応してくれます。
まとめ:動画作成サービスの特徴を押さえECに役立ててみよう
動画は短い時間でも多くの情報を伝えられるので、マーケティングでも積極的に活用していくことが大切です。ECとの相性も良いため、動画によるアプローチ次第では自社商品の販売につながるでしょう。
初めて動画を作成する場合でも、初心者向けに機能を絞ったサービスが用意されているため安心です。さまざまな動画作成サービスが数多くリリースされているため、基本的な特徴をおさえたうえで適したものを選びましょう。