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ECホットトピックス

将来は「レンタル」ボタンが当たり前に?「Rent The Runway」の共同創業者講演レポ

 「クローゼットを開けた時に感じる罪悪感をなくす」。洋服レンタルサービス「Rent The Runway」の共同創業者Jennifer Hyman氏は、1月米ニューヨークで開催された小売業界最大のイベント「NRF 2018」で基調講演を行った。

年125%以上で成長 洋服レンタルサービス「Rent The Runway」

 自転車、自動車、空き部屋……“所有”から“シェア”に価値観が変わりつつある。米国ではデザイナーブランドの洋服を共有するサービスも登場、じわじわとユーザーを増やしている。その代表格が「Rent The Runway」だ。“クローゼットを開けた時に感じる罪悪感をなくす”と、共同創業者のJennifer Hyman氏は目的を説明する。

https://www.renttherunway.com

 Hyman氏は1月初め、米ニューヨークで開催された「NRF 2018」で基調講演を行った。

 Rent The Runwayは2009年、ハーバードビジネススクールで共に学んでいたHyman氏(CEO)とJennifer Carter Fleiss氏(事業開発トップ)が共同で立ち上げた。当初は、デザイナーの洋服を1着単位で1週間程度借りるというモデル。価格は小売価格の10%程度。

 立ち上げのきっかけは、Hyman氏の姉妹の悩みがある。結婚式に着ていくようなドレスは、高価な割になかなか着る機会がない。だが、ドレスを着るようなイベントで毎回同じ洋服を着ると、ソーシャルでの印象がよくないーー。買ってしまったドレスを見て、もったいないとため息をつく……。「クローゼットを開けて“高価な服を買ったのに数回しかきていない”と罪悪感を感じる、そんな状況を解決する」とHyman氏、「レンタルすることでトレンドの服を買わずに、ファッショナブルになれる」とその必要性を説明する。

 当初、ドレスからスタートしたが、オフィスや夜のお出かけなどの日常着にも拡大することに。そこで導入したのが、サブスクリプションサービス「Unlimited」だ。月額159ドルで4つ洋服をレンタルできる。配送料、クリーニング代などは込み。1ヶ月経つと、新しい洋服をレンタルするのと同時に古い洋服を返品する。ずっと借り続けるオプションもあるようだ。Rent The Runwayはその後、「RTR Update」として安い価格帯(89ドル)も導入している。

 当初オンラインのみでスタートしたが、本拠地であるニューヨークなど米国の数都市で物理店舗も構えている。これらの取り組みが奏功し、「年125%以上で成長している」とHyman氏は言う。

最大の課題はデザイナーの説得

 ここに至るまでの最大の課題は、「デザイナーを説得すること」と振り返る。フォーマルから日常のおしゃれ着まで、さまざまなデザインを揃えなければならない。当初、レンタルしないかと持ちかけると難色を示すデザイナーも少なくなかった。「女性は洋服を借りたいと思っていること、レンタルは市場縮小につながらならないことなどを説得する必要があった」とHyman氏はいう。それでも当初は、最新のコレクションの服を借りたいと持ちかけても、すんなりOKは下りなかったようだ。

 この課題に対してHyman氏らは透明性とデータで説得を続けた。Hyman氏はいう。「女性たちはいろいろな洋服を着たいと思っていても、簡単に試す方法がない。ここを我々は解決するが、これによりデザイナーがビジネスを損失することはない、むしろ市場が大きくなることを伝えた」。新しいブランド、新しいファッションを気軽に発見して試すことができ、好きになるチャンスも拡大する、と続ける。

 粘り強い取り組みの結果、2012年には75だったブランドは現在550を上回っている。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/5462 2018/03/02 08:00

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