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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ウェブ接客を活用して成果を出す方法

おもてなしは目的ではない? サイトの課題と合ったウェブ接客ツールの選びかた

 人工知能によるウェブ接客ツール「ZenClerk(ゼンクラーク)」の開発と、人工知能のチューニング業務に4年以上携わってきた筆者が、ウェブ接客を活用して成果を出していく方法を、全3回にわたって紹介していきます。最終回となる今回は、「自社サイトに適したウェブ接客ツールの選びかた」をお届けします。

前回のおさらい:説得可能なタイミングとは

 第2回目の記事では、ウェブ接客ツールはおおまかに「人工知能型」と「シナリオ設計型」の2種類に分類できることをお伝えしました。そして、「シナリオ設計型」のツールを運用する際には、購入の可能性が高まる「説得可能なタイミング」を意識する必要があると説きました。

 その「説得可能なタイミング」を絞り込むための公式を覚えていただけたでしょうか?

「説得可能」=「対象セグメント全体」−「無関心」−「決断済み」−「あまのじゃく」

無関心 接客を受けても、購入等はするつもりはない
決断済み 接客を受けなかったとしても、既に購入等を決断している
あまのじゃく 接客を受けたことによって、購入等をやめてしまう
説得可能 接客を受けることによって、購入等の可能性が高まる

 この公式を用いることで、不要な接客を避けることができ、「シナリオ設計型」の効果を最大限に引き出すことができます。

 一方、「人工知能型」では、こうした「タイミング」で担当者が頭を悩ませる必要がなく、人工知能が自動的に最適化してくれます。

人工知能は万能か?「強い人工知能」vs.「弱い人工知能」

 さて、人工知能に任せることができるのならば、人間が考える「シナリオ設計型」は、もう時代遅れになってしまったのでしょうか? もちろん、そんなことはありません。

 人工知能という言葉を使うと、どうしてもSF小説に登場するような「人間の意識」を持った存在を連想しがちです。とくに近年は人工知能がバズワード化し、「人工知能が仕事を奪う」「人工知能によってなくなる職業」のような煽りを目にする機会が増えてきました。

 しかし現在の技術では、人工知能は限られた分野でしか実力を発揮することはできません。この違いを説明するために、哲学者であるジョン・サールが「強い(汎用型)人工知能」と「弱い(特化型)人工知能」という分類を作りました。

 「強い人工知能」は、多くの人が人工知能に対して抱いているイメージに近いでしょう。特定の分野に限定されずに、汎用的な能力でタスクをこなすことができますが、現在の技術では実現には至っていません。一方、「弱い人工知能」は、囲碁のようなボードゲームやクイズ大会といった、狭い分野でのみ成果を出すことができます。人間の知能の一部を代替することができ、すでにさまざまな領域で活用されています。

強い(汎用型)人工知能
  • SFに登場するような「人間の意識」を持った存在
  • 汎用的な能力でタスクをこなすことができる
  • 現在の技術では実現されていない
弱い(特化型)人工知能
  • 人間の知能の一部を代替することができる
  • 狭い分野でのみ成果を出すことができる
  • すでに実用化されており、さまざまな領域で活用されている

 筆者が開発に携わっているウェブ接客ツール「ZenClerk(ゼンクラーク)」の人工知能は、「弱い人工知能(特化型)」に分類されるものです。また、これらの分類の他にも、「チャットツール」もウェブ接客ツールとして紹介されていることがあります。

 それでは、これからウェブ接客ツールを導入するサイトでは、「人工知能型」「シナリオ設計型」または「チャット型」のどれを選択すればよいのでしょうか。

 もちろん、できるだけ多くのウェブ接客ツールを試し、成果を比較した上で、自社に適したものを選ぶことがベストでしょう。しかし、現実にはツールの選定にかけられる時間や労力、費用には制限があり、すべてのツールを試すことは現実的ではありません。

 そこで、最終回となる今回は、自社サイトに適したウェブ接客ツールの選びかたを紹介したいと思います。

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この記事の著者

Emotion Intelligence株式会社 プロジェクトマネージャー 磯部有司(イソベ ユウジ)

北海道大学工学部を中退し、音楽を学ぶため米国Luther Collegeを卒業。帰国後は、ワークスアプリケーションズ社にてコンサルタント・エンジニアを経験。その後、Emotion Intelligence社の創業期から加わり、現在は、同社のエンジニア兼プロダクトマネージャーとして、サービス開発のほか、人工知...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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