スマートフォンアプリ活用で顧客交流を活性化 4つの事例を紹介
ここで神田氏は、EC・小売事業者がスマートフォンアプリを使って予想以上の成果を得た施策を7つ紹介した。今回は、そのうち4つをピックアップして紹介する。
UI・UX改善でアクティブユーザー数2倍以上に 「ライトオン公式アプリ」
ジーンズセレクトショップ「ライトオン」は、スマートフォンアプリのリニューアルにより大きな成果を得ているという。
「ライトオン公式アプリは、会員証、スタンプカード、クーポンなど店舗内で使う機能が多く搭載されているため、これらを起動後すぐに1つの画面内に表示できるよう、レイアウト変更を行いました。こうしてUI・UXを改善した結果、アクティブユーザー数が20万人から55万人と2倍以上に増加しています。また、店頭在庫をスマートフォンアプリ内で検索できるようにし、購入導線を設けたことでスマートフォンアプリ経由の売上も141%となりました」(神田氏)
顧客の興味関心に沿ったスタッフコーデ表示でアクティブ率上昇 「RC ONLINE STORE 公式アプリ」
レディースアパレルブランドを多数手掛けるレイ・カズンの「RC ONLINE STORE 公式アプリ」では、実店舗とオンライン双方で参加できるスタンプラリーを実施。来店、試着室利用、ウェブ購入などのアクションごとにポイントを付与し、楽しみながらブランドとの接点を増やすことに成功している。
「また、スマートフォンアプリ内の『STAFFコーデ』も人気コンテンツです。顧客が自分と体格・興味関心の近いスタッフを探しやすいよう、『ブランド』『身長』『骨格タイプ』などで絞り込めるようにしています。何気ない瞬間にスマートフォンアプリを開き、ウィンドウショッピング感覚で楽しめる工夫を施したことで1ユーザーあたりの1ヵ月の閲覧数が2.5回から4.5回に増加しました」(神田氏)
劇場チケット売上の20%がアプリ経由 「FANY」
吉本興業が提供するスマートフォンアプリ「FANY」は、劇場チケットのオンライン購入を実現するだけでなく、コンテンツ強化にも力を入れている。プッシュ通知から1日10分だけ閲覧できるコンテンツへ誘導することで、毎日起動するきっかけを作るだけでなく、リアルイベントでもスマートフォンアプリを活用したスタンプラリーを実施。今では、チケット売上の20%が同アプリ経由となっているとのこと。
EC売上の10%はスマートフォンアプリ経由 「岩崎本舗公式アプリ」
長崎で角煮まんじゅうを販売する「岩崎本舗」は、スマートフォンアプリダウンロード時に角煮まんじゅうを1つプレゼントするキャンペーンを実施。メディア露出情報や過去の人気メルマガのバックナンバー公開、オリジナルキャラクターと写真撮影ができるフォトフレーム提供などを行い、コミュニケーション強化を図っている。観光客向けにもオンライン購入や長崎再訪時の来店想起を図るなど、積極的にPDCAを回すことでEC売上の10%をアプリ経由で生み出しているという。
ここで神田氏は、スマートフォンアプリ支援の実績を活かしてヤプリが2021年にリリースした顧客管理システム「Yappli CRM」を紹介。スマートフォンアプリ上での顧客行動データに応じて、ノーコードでも細やかなOne to Oneコミュニケーションが実現できる旨を説明した上で、YappliとYappli CRMを組み合わせてできることを次のように説明し、セッションを締めくくった。
「たとえば、会員ランクに応じたプッシュ通知の出し分け、ポイント有効期限アラート、会員ランクアップ促進といった案内のほか、購入後のお礼や特定商品購入後に使い方をフォローするプッシュ通知配信ができます。その他、電子マネー機能、会員ランクに応じた特典付与などといったシナリオ作成もできるため、スマートフォンアプリ施策の幅を広げることも可能です。今後も各社が強固なデジタルマーケティングを実現できるよう、YappliとYappli CRMを活用した支援を進めます」(神田氏)