4つのフリクションパターンを理解し、Webサイトでも接客を再現
なお、深田氏によるとフリクションにも大きく4つのパターンが存在すると言う。
- コンテンツの存在に気づいていない:そもそも気づいていないため、重要な内容でも見てもらえない
- コンテンツを見ようと思っていない:読みにくさなどが原因で拾い読みされているため、見落としが生じる
- コンテンツに到達できない:コンテンツの存在に気づいていても、どこから遷移するかがわかっていない
- コンテンツの内容が理解できていない:概念的もしくは専門用語が羅列されているなどの理由で、内容がわからない
「Webサイトでコンバージョンを生み出すには、『ユーザーは思いがけないところで離脱している』と自覚しなければなりません。フリクションを除外して、快適な利用体験を創出することが大切です」(深田氏)
さらに深田氏は、「Webサイト=セルフセービスの前提はもう成立しない」と問題提起した。つまり、これからの時代は提案型のWebサイトを作り上げる必要があるということだ。具体的な施策案として、3つの事例が紹介された。
1. トップページにコンテンツへの分岐点を提示
商品点数やカテゴリー、コンテンツが多く、さまざまな行き先が存在するWebサイトにお勧めなのが、このシナリオだ。トップページのポップアップで「今日は何をお探しですか」と語りかけ、行き先を複数提示。ユーザーがたどり着きたい情報にスムーズにリーチできるようにしたことで、購入完了改善率が116%に向上している。
2. 「有効な機能」をタイミングに合わせて提案
複数ページを遷移しても求めているコンテンツにたどり着いていないと見られるユーザーには、「絞り込み検索機能」、「お気に入り」、「店頭取置」など便利な機能の提案を行う。実装されているにもかかわらず、使われていない機能が存在する場合は、さりげなく認知をうながすことが大切だ。
3. アプリのアピールや機能訴求を行う
アプリをリリースしていても、ユーザーが存在や使いかた、機能を理解していないケースは少なくない。そこでアプリをアピールするポップアップを実装。機能訴求を行うパターンAとダウンロードキャンペーンを周知するパターンBでA/Bテストを行った結果、前者の施策が高い効果を上げた。
「コロナ禍により、多様なユーザーがインターネットを活用するようになりました。そのため、セルフサービス型のWebサイトで成果を上げるのが年々厳しくなりつつあります。『デジタルネイテイブ』と呼ばれるZ世代も、自分に合ったコンテンツがレコメンドされる状況に慣れているため、『情報を探してもらう』のではなく『情報を提供する』ことが大切です。つまり、接客型への移行が望ましいと言えます」(深田氏)
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