事業規模にかかわらずコンタクトセンターが必要な時代 1席から設置可能な「CXone」
2021年10月よりクラウドCXプラットフォーム「CXone」を日本市場に向けてローンチしたナイスジャパン。グローバルに展開するNICE Ltd.の日本法人社長を務める安藤竜一氏は、現在の小売業・メーカーを取り巻く劇的な変化について次のように語る。
「コロナ禍の影響もあり、消費者の購買行動が変化。EC市場が急拡大しているのは、グローバルに共通しています。とくに紙媒体による通販事業者や、リアル店舗を主としてきた百貨店業界、アパレル事業者などにおいては、DXを足掛かりにしたECの進化が求められていると言えるでしょう。そのひとつとして、快適な顧客体験をサポートするコンタクトセンターの重要性が高まっています」
しかし、コンタクトセンターの重要性が高まるほど、さまざまな課題が表出していると言う。たとえば、前出の通販事業者の場合、既存顧客に対応するために紙媒体が残る一方で、トレンドであるデジタル化にも対応する必要がある。当然ながらコンタクトセンターも多様化するチャネルへの対応が必要になり、現場の負担は否応にも増している。さらに今後は、人件費の高騰などにより人材確保が難しくなる可能性もあるため、顧客体験の品質を担保しながら自動化・効率化することが重要だ。
そしてCX向上の課題は、既存のコンタクトセンターを持つ大規模事業者のみが抱えるものではない。ShopifyやBASE、STORESなどの普及にも代表されるように、従来よりもECに出店しやすい環境が整ったことで、事業開始当初は必要最低限の人員・機能でサービスを展開する事業者も増加している。こうしたスモールスタートから、順調に成長している事業者も存在するが、事業拡大に合わせてさらなるCX向上を目指すには、顧客接点を増加させることも必要となる。
「スモールスタートで事業を開始した事業者でも、ビジネスの伸長にともなって顧客接点を増加・拡大させていく必要があります。どんなにデジタルに閉じたサービスでも、顧客には『人と話したい』というニーズが生じる可能性が高く、人が介在する対応チャネルが求められるケースも少なくありません。しかし、かつてはコンタクトセンターを設置するには相当のコストが必要であり、事業者にとって大きな障壁となっていました」
小規模事業者がコンタクトセンターを持つことができなかったのは過去の話。安藤氏は、「クラウドが登場したことで、事業開始時からコールセンターを持つことも可能になっている。ぜひその価値に気づいて欲しい」と強調する。事実、ナイスジャパンがローンチしたクラウド型コンタクトセンター「CXone」は、1アカウントからでも利用が可能だ。そして、その価値はCX向上だけにとどまらない。