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季刊ECzine vol.23定点観測

WalmartやAmazon実店舗から学ぶ 小売の本質に立ち返るデジタル活用を

 EC事業者がおさえておきたい13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。オムニチャネルコンサルタントの逸見さんに、オムニチャネルについて聞きました。※本記事は、2022年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.23』に掲載したものです。

店舗受取浸透で米のリアル小売巻き返しか

 2022年10月7日から13日まで、アメリカのロサンゼルス、シアトルで小売の実店舗を中心に視察する日本オムニチャネル協会主催のツアーに同行した同協会理事の逸見さん。Walmart、Target、Home Depotなどアメリカ大手小売ほか、ジャスト・ウォーク・アウト(JWO)技術を採用したWhole Foods Marketや、Amazon初のアパレル実店舗「Amazon Style」など最新店舗で実際に購入体験を行っている。5泊7日のツアーを通して逸見さんが感じたのは、実店舗発の小売企業の巻き返しだと言う。

「まずは、デロイトトーマツ『世界の小売業ランキング2022』で2020年度の小売売上高をおさらいしてみましょう。1位はWalmartで5,591億5,100万米ドル、2位のAmazonが2,135億7,300万米ドルとなっています。3,000億米ドルの差がついているところが注目です。 Home Depotは5位で1,321億1,000万米ドル、Targetは10位で924億米ドルですが、どちらも2020年度の成長率が約20%と伸びています。ちなみに日本企業は、14位にイオンがランクインしています」

 各店舗に実際に足を運び、購入を含めた視察を行ったところ、ネット等で決済を済ませて店舗で受け取るBOPIS(Buy Online Pick-up In Store)や、ネット等で事前注文して駐車場などで車に乗ったまま受け取るカーブサイドピックアップが浸透してきていると言う。

「Targetのある店舗では、駐車場にカーブサイドピックアップ専用の駐車スペースがありました。車を停めて注文したことがわかる番号等を伝えると、バックヤード口からカートやコンテナで店員が商品を運んできて、トランクに入れてくれます。複数のコンテナから積んでいるのを見たのですが、食品や洗剤など商材別に分けているのでしょう。Walmartでも見ましたが、店舗も駐車場も大きいため、カーブサイドピックアップ専用の駐車スペースも数が多かったですね。車を降りずに駐車場で待つようになると買い物頻度が落ちるのではと懸念する人もいますが、視察した限りでは、消費者は便利なサービスとして喜んで利用し、必需品はカーブサイドで効率的に、その分、創出できた時間で楽しみのための買い物に時間を使うようになり体験が上がっているのではと思います」

 一方で、食品スーパーチェーンのKrogerについては業績が低迷気味であり、その原因を逸見さんは次のように分析する。

「ロボットを導入したカスタマー・フルフィルメント・センターを稼働させたことで話題になりましたが、おそらく店舗在庫とは別のネットスーパーの顧客専用の倉庫を意味しているのでしょう。その方式が果たして正しいかどうか。アパレルのZARA等が取り組んでいる、店舗の在庫をECの在庫としても活用するマイクロ・フルフィルメント・センターの方式のほうがうまくいくのではないかと見ています」

 ほかにも視察中のホテルでクイック・デリバリーの「DoorDash」も体験している。

「複数のレストランだけでなく、日用品などもデリバリーしてくれます。注文の途中でも配達員に連絡して『これも追加でお願い』と次々にオーダーしたのですが、請け負ってもらえました。注文が増えるほど1回の手数料が増える仕組みなので、喜んでやってくれるわけです。日本でも複数の店舗の商品を購入して同時に届けてくれるようになれば、フードデリバリーもさらに利用が増えるかもしれませんね」

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