“品ぞろえ”が差別化の鍵 商品拡充のハードルを下げるには
「マーケットプレイス」という単語を聞いたことがあるだろうか。自社ECサイトを運営している企業のプラットフォーム上に、セラー(他社)が出品するビジネスモデルを指す。商品が購入されると、セラーが顧客に直接発送。また、マーケットプレイスを運営している企業に、手数料を支払う。
このビジネスモデルを実現するソリューション「Mirakl Platform」を提供しているのが、仏・パリ発のMiraklだ。世界450社以上を支援しており、同ソリューションを通じてマーケットプレイスに出品しているセラーは10万社以上。日本でも、株式会社アイリスプラザや株式会社ニトリ、株式会社サッポロドラッグストアーなどが、Miraklとともにマーケットプレイスの構築に取り組んでいる。内藤氏は、このビジネスモデルが必要な背景として、まずEC市場の現状に触れた。

McKinsey Global Instituteのレポート「The next big arenas of competition(PDF)」によると、グローバルEC市場は2022年には既に約4兆ドル規模となっており、2040年頃には、3.5〜5倍に成長するという。また、経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査」の結果では、日本のEC市場も、EC化率はまだ10%に届いていないものの堅調かつ着実な伸びを見せている。
「世界に目を向けると、BtoC-EC市場は成長・拡大を続けています。また米国では、BtoB企業が自社および他社商品をオンラインで販売するECポータルサイトの構築を検討するなど、新市場開拓に積極的です」
業界を問わず、取引のEC化が全世界で進んでいると理解できるだろう。一方で、市場が拡大すれば、プレーヤーが増え、競争の激化が懸念される。「顧客は多くの選択肢の中から、自身の価値観に合う売り場を探すようになってきている」と内藤氏。
「特定のECサイトで良い購買体験が得られた顧客は、通常よりも購入単価が高いともいわれています。しかし、顧客体験が良くないと、別のECサイトに移動する可能性が十分に考えられます。つまり、ブランドを運営する側にとって、非常にシビアな時代に入っているといえるでしょう」
では、どうすれば顧客の満足度を上げられるのか。内藤氏は「品ぞろえ」だと強調する。
「求める商品を見つけられるかどうか。大変シンプルですが、競争優位性を上げる大きな要因となります」
だからこそ、Miraklはマーケットプレイスの構築を支援している。