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マーケティングはダイナミックでなければ意味がない D2Cで高まるクチコミとQ&Aの重要性

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2020/07/14 11:00

 D2Cの隆盛にともない、クチコミとQ&Aを介したコミュニケーションが消費者の購買を後押ししていると言う。企業には、消費者が情報を享受しやすい仕組みの整備を求められ、そのための手段として積極的なデジタル活用が進められている。2020年7月2日に開催された「ECzine Day 2020 Summer」にて、D2Cのトレンドを踏まえた消費者との向き合いかたや実店舗のありかたを、長年CXと向き合い続けるZETA株式会社の山崎徳之氏が語った。

なぜ消費者はクチコミや体験を重視するのか

 これまではメーカーが小売を介して消費者に商品を販売する流れが一般的だったが、スマートフォンの普及やミレニアル世代(1980年代から2000年初頭に生まれた世代)、Z世代(1996年から2012年に生まれた世代)と呼ばれるデジタルネイティブ層が消費者としての存在感を強めるにつれ、最近はメーカーが消費者に商品を直接販売するD2Cの動きが活発になっている。欧米では、数年前から大手スポーツアパレルブランドを筆頭に多くの企業がD2Cに取り組んでおり、人気商品をD2Cでのみ販売する動きも見られる。

 加速するD2Cのトレンドを前に、企業は消費者とどう対話していくべきか。このトレンドの担い手でもあるミレニアル世代、Z世代の特徴は、情報感度が高くクチコミや体験を重視するという点にある。企業がやるべきことは、彼らがクチコミや体験を享受しやすい仕組みを整えることだ。

「ある海外イベントの登壇者が、『消費者は企業の3倍、ほかの消費者を信用する』と話していたように、ほかの消費者が本音で語る意見は、購入検討者の背中を強力に後押しします。逆に、クチコミを読んで購入をやめるケースもありますが、購入されたお客様に満足していただくことを目指す健全な企業活動においては、そのクチコミが長い目で見るとプラスに働くはずです」(山崎氏)

 クチコミに次いで新たなコミュニケーションとして期待されているのが、Q&Aだ。購入した消費者が一方的に意見を投稿するクチコミとは異なり、Q&Aは購入を検討している消費者が質問を投稿したり、メーカーが返信したりもできる。これまではSNSで同様のコミュニケーションが行われていたが、SNSでは投稿に発信者の自己顕示欲や承認欲求というバイアスがかかってしまうこともあり、純粋に商品の良し悪しや向き不向きを知りたい消費者は情報を吟味する必要があった。ECサイト上にQ&Aの場があれば、そのようなノイズから離れて情報を得ることができる上、店舗スタッフらによるプロの意見も聞けるため、消費者はより有益な情報を得ることになる。

「お客様は財布から大事なお金を払って買い物をするので、失敗を避けたい、買う前に安心したいと思っているはずです。アメリカではECが普及する前に、『返品大歓迎』というアプローチでお客様の不安を解消していましたが、そのやりかたでは返品カウンターに長蛇の列ができ、コストもかさんでしまいます。Q&Aのコミュニケーションが当たり前になれば、お客様は納得した上で商品を購入できるので、返品率は下がります」(山崎氏)


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連載:ECzine Day 2020 Summer レポート

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