業種・商材を問わず多数の企業で活用されるチャット接客
空色のサービスは、現在さまざまな業種の企業で活用されている。瀧氏は代表的な事例を紹介した。
まずは、チャットでインテリアの相談に対応する千趣会「ベルメゾンネット」の事例だ。ベルメゾンでは、オンラインショップのインテリア・雑貨カテゴリーにおいて、OK SKYを活用したインテリアコーディネートのオンラインチャットサービスを展開している。チャットのやりとりを通じて、これまで把握することが難しかった顧客の部屋の状況など、利用シーンに関する詳細な情報を入手し、適切な提案やアドバイスが行えるようになったと言う。顧客にとっても、ECサイトの情報だけではわからないサイズ感などを直接質問し、疑問や不安を払拭したうえで商品を選択できるというメリットをもたらしている。
チャットボットによる多言語チャット接客を行っているのは、百貨店の高島屋だ。訪日外国人客への対応として、同社では多言語対応のチャットボットを導入。館内各所に配置された2次元コードをスマートフォンで読み込むとチャットボットが立ち上がり、チャット形式で店舗や商品などのガイドが受けられる。多言語対応スタッフを増員するのと比べて低コストで運用ができるうえ、自動化により対応時間の大幅な短縮にもつながっていると言う。
AIチャットボットWhatYaを用いた公式LINEアカウントとの連携により、カスタマーリレーションシップの強化を行っているのは花王の化粧品ライン「ソフィーナ」である。ソフィーナでは、顔写真を撮影して簡単な質問に答えると自分に合ったアドバイスや情報が届くパーソナルスキンケアサービス「肌id」を展開している。同サービスの公式LINEと連携したチャットサービスでは、日々のおすすめ商品やスキンケアに関する励ましの言葉などをつぶやき、ユーザーのモチベーションアップを促進。カスタマーリレーションシップの強化に貢献している。
花王では、大人用紙おむつ「リリーフ」の問い合わせ対応システムにもWhatYaを活用。瀧氏はここで、チャットのメリットのひとつに、「人と直接会話するのに比べてコミュニケーションの敷居が低いこと」を挙げた。排泄ケアというデリケートな商品の特性上、従来の電話サポートでは利用しづらかった顧客も、使用方法の疑問や悩みなどをチャットで気軽に相談できるようになり、今まで以上に顧客の声を収集することが可能になったと言う。
新生銀行グループのレイクALSAでは、顧客からの問い合わせに対してAIチャットボットとチャットオペレーターのハイブリッド体制で対応していると言う。空色のサービスは、自社固有のセキュアな環境を構築できるプライベートSaaSで提供を行っている。そのため、金融機関などの厳しいセキュリティ要件にも応えられる点を強みとしていると瀧氏は語った。
アパレル企業でも、空色のサービスは導入されている。ナノ・ユニバースでは、ECサイトの問い合わせ対応にAIチャットボット+オペレーターによるチャット機能を導入。ECサイトのブラウザ版・アプリ版ともに、ページ内の問い合わせボタンをタップすると、チャット画面が起動する。この機能はメイン機能のひとつとして定着し、利用頻度も高く、チャット経由での売上はおよそ実店舗1店舗分の売上に匹敵するレベルにまでなっているそうだ。