レコメンドやパーソナライゼーションの鉄板施策 実施による効果も紹介
レコメンドエンジン領域における鉄板施策としてまず挙げられたのは、「商品詳細ページの閲覧行動ベースレコメンド」。これは15人中9人が重要と答えている。ECサイトの商品詳細ページに「この商品を見た人はこんな商品にも興味を持っています」といったかたちで似た商品を表示させたい場合は、「閲覧行動ベース」のレコメンドにするのが有効だと梅染氏はいう。
「購入行動ベースにするとセット買いの商品がレコメンドされやすく、ジャンルの異なる商品が表示される可能性があります。すでに大まかな条件は決めて商品詳細ページを見に来ているような訪問客に対しては、似た商品がレコメンドされやすい閲覧行動ベースのほうが適しています」(梅染氏)
なお、ナビプラスの調査では、同施策による一般的なCTRは9.75%となっている。
続いて、15人中8人が重要と回答したのは「カートページのあしあと」。あしあとは「リマインド」とも呼ばれ、今まで閲覧したなかで未購入の商品を「最近見た商品」などと表示するパーソナライゼーション施策だ。非常にシンプルなアルゴリズムだが、ナビプラスの調査によれば、機械学習を用いた複雑な計算を経て表示されるレコメンドよりも、表示場所の条件などによっては、高い効果が得られるという。
「鉄板表示箇所のひとつとして挙げられるのが、カートページです。買い忘れ品の購入や送料無料にするための『ついで買い』を喚起しやすいことから、CVRが非常に高い傾向があります」(梅染氏)
同施策による一般的なCVRは19.45%となっている。
「トップページのパーソナライゼーション」については、15人中7人が重要と回答している。ほとんどのECサイトにおいて、単一のページでもっともアクセスが多いのはトップページだ。訪問客がさまざまな目的で訪れるトップページには、やはりパーソナライゼーション施策が有効となる。
トップページにおいてどのような施策の効果が高いかをナビプラスで調査した結果、「直近の訪問客の行動を加味したリアルタイムレコメンデーションアルゴリズム」が多くの場合、高い効果を示すことがわかったという。同施策による一般的なCTRは4.07%とそれほど高くはないが、他ページよりもアクセスの母数が非常に多いため、全体として売上へのインパクトは大きなものになる。