国際転送事業にも注力 楽天の越境ECソリューションが提供する価値
中島氏はパネルディスカッションに続いて、「国際版マーケットプレイスの直近の取り組み」と題したセッションにも登場。楽天が行うマーケットプレイス事業、フラッグシップ事業、グローバル事業について解説した。
中でも出店者向けに注力しているものとして、中島氏は「マーケティング」を挙げた。楽天のマーケットプレイスでは、マーケティングを深化させるためにメインターゲットの国ごとに専門チームを結成し、各国に最も適切な媒体で施策を打ち出しているという。国によって、マーケティングチャネルには大きな違いがあるようだ。
「たとえば中国ではアフィリエイトサイトがとても人気ですが、香港では大きなアフィリエイトサイトというのはなく、逆にFacebookのペネトレーションレートが高いです。このような各国ごとの特徴に対応できるよう、マーケティングの体制を整えています」
また楽天が、「すべての人にとって越境ECのハードルを下げる」ために2017年5月から始めたのが、国際転送事業である。
「店舗や企業様からすると、海外配送は手間がかかるんですよね。パッキングし直したり、必要な書類がたくさんあったり。大きい店舗であるほど、国内のオペレーションがきれいに回っているので、海外配送はイレギュラー対応になりがちですが、この転送システムを使えば配送先が国内の倉庫になるので、通常のオペレーションを変える必要はなくなります。
一方購入者は、配送状況をマイページで確認したり、楽天IDで購入から配送まで完結することができます。複数商品の同梱も可能です」
最後に中島氏は、楽天の越境ECソリューションが提供する価値について、考えを示した。
「日本のすべての事業者様にとって、越境ECにおいてハードルが高いと思われがちな海外顧客の対応や開拓などを、楽天が全面的にサポートしていきたい。手間がかかるつなぎこみや集客、システム配送、決済を事業者の皆さまの代わりにやることが、楽天マーケットプレイスの使命だと思っています」