無駄な広告投資を削減、マーケティング効果の向上へ
続いて、廣瀬氏が薮内氏にCHEQのソリューションの選定理由を質問。薮内氏は大きく二つのポイントを紹介した。一つ目は、「具体的かつわかりやすいデータの提供」。二つ目は、「きめ細かいサポート体制」だ。
「ほかにも不正トラフィック対策ツールは多くありますが、CHEQの場合、担当者が当社の事業内容を理解した上で支援してくれました」(薮内氏)
実際、日本ピザハットでは、CHEQのソリューション導入後に、不正クリック率が約80%減少する成果を得られた。しかし、一度収束したかに見えても、再び新たな被害が発生するケースは珍しくない。セキュリティ対策は“継続”が不可欠だ。薮内氏は、「機械には機械で対抗する必要がある。人為的な対策が効かない時代」と強調した。
「不正クリックが放置されていると、A/Bテストを実施しても正しい判断ができません。マーケティング施策の効果を正確に評価する意味でも、ツールの導入は重要でした」(薮内氏)
また、検索広告のCPCやCPAの数値にも改善が見られている。薮内氏は「様々な外的要因が影響しているが、不正トラフィック対策による効果も大きいはず」と説明した。
こうしたデータ上の改善に加えて、もう一つの大きな変化が社内の認識だ。効率化を追い求める姿勢から、まずは土台を整える考え方に変わったという。
「マーケティングでは、デジタル広告に投資する分、それに見合う効果を求められます。より効率的に収益を上げるには、正確なデータを取得して分析しなければなりません。しかし、この数年は“不要なデータを排除する”という視点が抜けていました。不正トラフィック対策は、データ分析の方法を見直す良いきっかけになったと思います」(薮内氏)
「多くの方は、検索広告で大量の不正クリックが発生していると想像していないでしょう。日本ピザハットは、現状を把握した上で適切な対策を実行し、ビジネス全体が良い方向に向かっています。既に約80%がオンライン経由の注文ですが、その比率はますます増えていくはずです。不正クリックの防止が“主戦場を守る”ことにつながります」(廣瀬氏)