売上・LTVにつながる広告効果測定は「早く」「深く」「正確に」
金田氏の語る、あるべき姿を実現するためのキーワードが「共通言語化」だ。
「前提として、マーケティングに携わる全員が広告データにアクセスできる環境が必要です。ここでいう全員とは、社内外を問いません。業務委託契約を結んでいる広告代理店の担当者なども含まれます。『関係者全員が共通言語を持つ』ことを軸として、どのような体制を作り上げ、どのツールを導入すべきかを取捨選択する必要があります」
D2Cでは、ひとつのブランドや企業に対して複数の広告代理店やメディアがかかわっている場合も少なくない。社内外で活用しているツールのフォーマットやデータが異なれば、関係者同士のコミュニケーションにすら大幅なコストがともなう。
「たとえば、各広告代理店やメディアから異なるフォーマットで広告成果の共有が行われるとします。すると、マーケターやEC担当者は共有された内容を毎朝スプレットシートなどに転記し、実際のコンバージョン数と広告媒体の数値を照らし合わせて成果管理表を作成するといった作業が発生するでしょう。データ量が増えるにつれてストレスも溜まりますよね。
競争が激しい中、広告で成果を上げるには、データが統合されたプラットフォームを活用し、全員が同じ情報を見てアクションする『共通言語化』が必須です。さらにいえば、運用時に多くの人が同じツールで同じデータを共有することが負担とならないよう、快適なUIも外せないポイントとなります」
データを共通言語化する環境が構築できれば、やるべきは「早く」「深く」「正確に」PDCAサイクルを回すことだ。この3つのポイントが、売上に結び付く広告施策の実行へと導く。
「『早く』に関していえば、私の経験上、継続的に成果を出している企業の担当者は最低でも1時間に1回、コンバージョン数やクリック数を確認しています。数字の中で気になったポイントがあれば、すぐに広告代理店や上司に報告し、迅速に改善活動に移す。データが統合されているからこそ、属人化せず次の施策に向けた改善案を素早く検討できます。
また、初回購入ユーザーのLTVの注視も不可欠です。どれだけコンバージョン数やCPAが改善しても、売上や利益につながらなければ意味がありません。広告に接触したユーザーが商品を購入しているか、リピーターになっているかなど、LTVまで『深く』チェックしていただきたいです。
さらに、3rd party cookieを規制するITPの影響などもあり、管理画面のコンバージョン数と実際の注文数に乖離が起こる場合があります。誤った数値を見ながらPDCAサイクルを回しても、施策の改善は難しいでしょう。『正確に』数字を追い、分析することが求められます」
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