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[イベントレポ]満足しきった生活者と良好な関係を築くためには「マイナス体験」を取り除くべし

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2019/06/27 11:00

 日本の生活者は困っているのか?――モデレーター 川添隆氏の、そんな問いかけから本セッションは幕を開けた。情報や選択肢が多すぎる現代でEコマースや小売の顧客体験を考えるにあたり、コンビニにおけるレジ待ちのように「便利な一方で生活者が感じるマイナスの体験」を潰していくことが重要であるというテーマのもと、3名のパネリストがそれぞれの立場から議論を交わした。

5年前と変わらないこと、変わったこと

モデレーター:川添隆氏[ビジョナリーホールディングス]
パネリスト:小西雅春氏[イープラス]/熊村剛輔氏[セールスフォース・ドットコム]/伊東英輝氏[アカマイ・テクノロジーズ]

 最初のテーマは「5年前と変わらないこと、変わったこと」。デジタルマーケティングについて話す時、つい最新の技術やトレンドばかり追いかけてしまいがちだが、一方で本質的に変わらない部分もあるはずだ。

 イープラスでインフラ領域を担当している小西氏は、変わらないこととして転売とbotの存在を挙げた。また、変わらない取り組みとしてメールによるアプローチを昔から行っている。実際、メールからのCVは今も昔も根強いという。現在はビッグデータを活用し、メールに掲載する情報の精度を高めていくという新たな取り組みも始めている。

株式会社イープラスシステム部 システム運用グループ 統括マネージャー 小西雅春氏
株式会社イープラス システム部 システム運用グループ 統括マネージャー 小西雅春氏

 一方で、スマホ移行は大きな変化と言える。セキュリティなどの観点からガラケーのサービスを終了する方向だ。現在はほぼ8割以上がスマホ利用のため、以前はPC、スマホ、ガラケーの3軸で施策を考える必要があったが、スマホの取り組みに集中できるようになったのは嬉しい変化だという。また、依然としてなくなることのないbotに対し、専用のAIが最近登場した。正体が掴めず対策のとりようがなかったbotに対処できるようになった実感があると小西氏は語る。

 セールスフォースでデジタルマーケティング領域のエバンジェリストを務める熊村氏は、変わらないことを「ECをはじめとするデジタルそのものの立場」だと主張。経営陣から予算配分や人材確保において後回しにされてしまうデジタル部門の立場は、実のところまだ変わっていない気がすると氏は指摘する。

 また、ビジョンの大きさと目先の施策のアンバランスさも日本企業に特有の変わらない傾向だという。デジタルトランスフォーメーションなどのキーワードに感化され、5年先、10年先のビジョンは見据えるものの、明日から何をするかという現実解を見出せないところに弱点があると印象を語った。

株式会社セールスフォース・ドットコムエバンジェリスト / プリンシパル ビジネス コンサルタント 熊村 剛輔氏
株式会社セールスフォース・ドットコム エバンジェリスト / プリンシパル ビジネス コンサルタント 熊村剛輔氏

 アカマイテクノロジーズでウェブパフォーマンス製品のマネージメントに携わる伊東氏。世界に24万台あるサーバーからウェブのコンテンツやゲーム、ストリーミングビデオの配信を行うというアカマイのテクノロジー自体は5年前から変わっていないが、利用者がインターネットに接続して、好きなタイミングで好きなコンテンツにすぐアクセスしたりといったことが、ここ数年で当たり前に行われるようになってきた。

 また、アカマイをはじめとする海外のメーカーが着々と日本語対応を行い、日本人に優しいUIや機能を作って進出しているため、物流の問題は別として国境を越えてEコマースを展開する際の垣根がなくなっていると伊東氏は語る。

アカマイ・テクノロジーズ合同会社Web Experience Product Management シニア・プロダクト・マネージャー 伊東英輝氏

アカマイ・テクノロジーズ合同会社
Web Experience Product Management シニア・プロダクト・マネージャー 伊東英輝氏


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