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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECzine Day 2019 Spring レポート

[イベントレポ]コメ兵・ビームスのOMOの話をしよう ECファーストな企業を実現するためには

 ECzine編集部では、2019年3月19日(火)に東京・秋葉原コンベンションホールでイベント「ECzine Day 2019 Spring」を開催。特別講演では、オムニチャネル先進企業として知られるコメ兵の藤原さんとビームスの矢嶋さんが登壇。ウェブ「ECzine」の人気連載「オムニチャネルの次の話をしよう」をリアルな場で展開した。

メディアとしてのECサイト キモは店舗との協力体制

 ウェブの記事(参照)では、ビームスのECの歴史、自社ECに漂う「ビームスらしさ」の理由、そして今後の実店舗の役割とOMOについて対談を繰り広げた。イベントの特別講演では、コメ兵・藤原さんの進行のもと、さらに踏み込んだ形で「オムニチャネルの次」を探ってもらった。

藤原(コメ兵) 今日はパネルディスカッションということで、本当に9枚のパネルを用意してみました(笑)。この中からテーマを選んで話したいと思います。まずは実店舗の話はどうでしょう。矢嶋さんとお店の話がすごくしたかったんです。今ビームスのお店は何店舗くらいあるんですか?

矢嶋(ビームス) アウトレットまで含めると、国内外で160店舗ほどです。

藤原 すごいですね! ECと店舗の関係性はどうでしょう。今ドライブしていることはありますか?

矢嶋 在庫面ではECから店舗がオムニチャネルとしてつながっていますし、顧客面でもデータベースが統一されています。事前にコーポレートサイトやECサイトをご覧になったうえで実店舗に来店されるケースが非常に多いですね。ECが、実店舗に来店するきっかけのメディアになっているという意識は、スタッフの中に根づいてきたと思います。

藤原 ECがメディアという点は同感です。コメ兵でもECから希望する実店舗に取り寄せる機能があります。当社では1点1点異なる中古品を扱っているため、お客様は「どのような状態のどんな商品があるのか」という視点でメディアとしてECサイトをご覧になっているんです。調べてみると、必ずECサイトを見てから来店されるというお客様が一定数いらっしゃることがわかりました。メディアとしてのECサイトをどのように良くしていくか、たびたび見に来ていただくためにどう工夫していくか、常に考えています。

株式会社コメ兵 執行役員 マーケティング統括部部長 藤原義昭さん
株式会社コメ兵 執行役員 マーケティング統括部部長 藤原義昭さん

矢嶋 私も当初は、「ECは販売チャネルである」ことに疑いを持ちませんでした。とくに2005〜2006年、ZOZOTOWNでのEC運営に取り組んでいる頃はその気持ちが強かったですね。自社ECを2008年にオープンしてからは、それだけではないことをデータで見て実感しました。「自社ECは商品を軸にしたメディアなんだ」「お客様は情報を取得して楽しんでいるんだ」ということがわかったので、メディアという要素は見過ごせないし、もっとコントロールしていく必要があると考え、自社ECに注力する方向に変わりました。

藤原 EC経由の店舗の売上は把握されていますか?

矢嶋 まだ実現できていないのですが、やりたいと思い取り組んでいます。先行して、全国の店舗から試着したい商品を、お客様のご都合が良い店舗に取り寄せるという仕組みを実装しました。1年ほど運営しているのですが、その機能のご利用がかなり拡大しています。スタッフも、試着取り寄せのリストを見て「今日は、こんなにお客様が来るんだ」と確認し、在庫も確保してお客様のご来店をお待ちするという業務のサイクルに入ってきている状況です。

藤原 コメ兵も小売の売上の15%くらいが、お客様にサイトから取り寄せ・予約し、実店舗でご覧いただいた商品によるものなんです。座組みとしては、実店舗にもECにも両方がんばってほしいので、協力せざるを得ない状況に持っていくのが一番重要だと思っています。よって、実店舗の予算にECの予算も組み込み、実店舗だけでは達成できないような仕組みにして、全社で取り組まざるをえないようにしています。KPIを、部署間をクロスして持ち合う、ということを常に気にしています。

ECのお客様も店舗のお客様も、同じコメ兵のお客様ですよね。ならば全社で協力し、最終的に期が締まった際に、すべての予算を達成しているという状態が当たり前である。そういく仕組みにしましょうと、先日会議で提案してきたばかりです。協力体制をいかに敷けるか、それが仕組み化だと考えています。

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ECzine編集部(イーシージンヘンシュウブ)

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