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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECホットトピックス

流入数439%にアップ!利用者拡大に悩んでいたdショッピングが選んだ起死回生の方策とは

コンテンツ制作の進め方 
流入数は439%に増加!ビッグワードも上位表示されるように

――コンテンツ制作はどのように進めたのでしょうか。

豊田(D) 最初は弊社から流入を強化したいカテゴリーや新しくなったdポイントの魅力について訴求できるようなものを作ってほしい、と丸投げしました(笑)。

岡村(Faber Company 以下F) それを受けてキーワード調査を行い、当初は私がコンテンツも作成していました。選定したキーワードからテーマを作成(Faber)→確認(ドコモ)→構成案作成(Faber)→確認(ドコモ)→記事作成(Faber)→確認(ドコモ)という形だったので、コンテンツ制作の全体像を把握してもらうこともできたと思います。

――実際にSEOプラットフォーム「ミエルカ」を操作してみた印象はいかがでしたか?

豊田(D) 元々私は外部のSEOツールを入れることには賛成ではありませんでした。サーチコンソールで十分だと思っていたんです。ですがミエルカを使ってみると、キーワードが無限かと思うくらいに出てくる。それに加え、キーワードのサジェスト、何が検索されているのか、何がトレンドかなど、すべてをひとつのツールで見ることができるのはとても使い勝手がよいですね。

――コンテンツマーケティングはすぐに結果が出るものではないという印象がありますが、成果はすでに出ていますか?

豊田(D) やはり最初はなかなか順位が上がりませんでしたし、検索結果上で上位には全然出てきませんでした。ですが施策開始3ヵ月後ぐらいに、関連するキーワードが一気にサーチコンソールに出てくるようになって、Googleも認識し始めたなと感じました。これは効果がでてきたということで、徐々に掲載を増やし始めていました。

その中でドコモの記事媒体である「マイマガジン」に記事を掲載するとどうやらコンバージョンがいいようだということに気づきました。そこでdショッピングのメルマガに記事を転用して露出を意識的に増やすうちに、dポイント関連のキーワードだと1位を獲れるようになり、コンバージョンも非常に上がるようになりました。

小川(Faber Company 以下F) 最初の1ヵ月めや2ヵ月めは、どうなっているのかと不安にはなりませんでしたか?

豊田(D) これで大丈夫なんだろうかと内心ドキドキしていました。Faber Companyさんから「キーワードをもっとインプレッションの少ないものにした方がいいんじゃないか」という相談もいただいたりして(笑)。

――始めた当初と今を比べて、いちばん成果が出ているポイントはどこでしょうか?

豊田(D) SEOは大きく成長し、自然検索流入数は2016年2月のミエルカ導入前と比べて、2018年4月は439%に上がりました。元々サイト名以外は商品名でしか上位に上がってこないようなサイトだったのですが、今だとビッグワードも上位に表示されるようになりました。自然検索流入からの売上もROI(コンテンツ施策への投資コストに対する利益)ベースで651%になっています。

dショッピングのサイト自然検索流入数の推移(2015年4月から2018年4月)
dショッピングのサイト自然検索流入数の推移(2015年4月から2018年4月)

――印象的な検索ワードはありますか?

豊田(D) 「梅酒」は1位を獲りました。麦茶周りも「麦茶 パック」や「麦茶 水だし」などの関連ワードの波及効果なのか、ドリンク類が上がるようになりました。

「梅酒」で2018年7月現在検索5位のコンテンツ
「梅酒」で2018年7月現在検索5位のコンテンツ

コンテンツ制作では、まずミエルカのサジェストキーワード(ユーザーが検索窓にキーワードを入れたときに表示される「候補キーワード」)分析機能から、「ユーザーがどのようなキーワードを、どんな意図で検索しているか」を分析します。

ミエルカで作成した「日焼け止め」の検索意図を自動分類した図。丸が大きく、矢印の太いところがニーズの集中するテーマ(クリックすると拡大します)
ミエルカで作成した「日焼け止め」の検索意図を自動分類した図。
丸が大きく、矢印の太いところがニーズの集中するテーマ(クリックすると拡大します)

分析していくと、たとえば日焼け止めなら商品名のほかにも、「ジェル、クリームなどタイプ別の特徴は?」「敏感肌にウォータープルーフは使える?」といったユーザーの検索意図が見えてくるので、それをコンテンツ構成案にまとめ、執筆に入ります。

ユーザーの検索意図をまとめたコンテンツ構成案(左)。肉付けしてコンテンツを執筆(右)
ユーザーの検索意図をまとめたコンテンツ構成案(左)/肉付けしてコンテンツを執筆(右)

コンテンツを読んでユーザーが興味を持った商品があれば、最新のカテゴリページや商品詳細ページに飛べるような導線になっています。

主要導線と呼ばれる商品一覧も以前は検索結果に一切出てきませんでしたが、今は徐々に上位を獲れるようになってきています。まだまだ伸ばせると思いますが、確実に良くなっています。それに加えて、「dポイント」の解説コンテンツを作ったことで、ようやく「dショッピングでdポイントが使えるんだ」という認知が広がり、CVも大きく増えました。

次のページ
分析のポイントは「色々な選択肢を見せること」と「LTV」

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この記事の著者

ECzine編集部 中村 直香(ナカムラナオカ)

ECに関する情報を、正確にお届けできればと思います。よろしくお願いいたします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/5871 2018/08/22 07:00

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