そもそもサイトの魅力を伝えきれていない
dショッピングが抱えていた大きな課題とは
――dショッピングでは、どのような点に課題を感じていましたか?
豊田(dショッピング、以下D) ドコモのスマートフォンユーザーの方がdポイントが何に使えるかを知らない方が多く、そもそもdショッピングのユーザーになってもらうことができない、という点です。dポイントでおトクに買い物ができることがいちばんのメリットのはずなのに、そのプロモーションができていないという状況でした。
山田(dショッピング、以下D) 検討当時、SPモード(※)の契約者数が約3,200万人(2016年3月時点)だったのですが、その中でdショッピングで買い物をしている方の数が圧倒的に少なかった。以前のポイントプログラムからdポイントにリブランディングして使い道も増えたのに、そもそも「dポイントは機種変更の時にしか使わない」という認知が大きかったのが課題のひとつでした。
(※)NTTドコモ提供のスマートフォン向けプロバイダ(ISP)サービス
―――dショッピング事業の在り方が問われた時期があったと伺いました。
山田(D) 2016年にサイトリニューアルの許可が出る前、事業としてどのように続けるのかということは経営陣から強く問われました。他のモールを運営している企業が携帯電話事業に参入してきたことも大きかったですね。ですのでそれに対抗するためにも、ECの領域にしっかりと注力しようと。また、データ活用の観点でも、データを蓄積する場として自前でECをやることには意義があるということで、方針が決まりました。
dショッピングの魅力は、dポイントが「つかえて、たまる」というおトクさと、携帯電話の通信料金とお買い物の料金を合算できる「ドコモ払い」という決済方法が使える簡単さですので、他のECサイトなどを使っている方にも、dポイントのよさを訴求していくことがポイントだと考えています。
「どこがお得か」という観点で様々なポイントサービスを併用しているユーザーもいます。その中で「dポイントを使うならdショッピング」と選んでいただけるよう、サービスの価値を上げていきたいです。
――それを打開する施策として、コンテンツマーケティングに至った理由を教えてください。
豊田(D) 実は最初からコンテンツマーケティングを検討していたわけではありませんでした。dショッピングの魅力を伝えたうえでさらに来訪いただくお客様を増やすために検索サイト経由の流入を伸ばさなければならない。しかしシステム上の問題もあり、サイト構造を見直すこともできずSEOとして手詰まりになっていました。そんな時にFaber CompanyさんにSEOを伸ばす相談と全体の分析をお願いしたところ、それではコンテンツを作っていこうということになりました。
――一緒に取り組むパートナーとして、Faber Companyを選んだ決め手は何だったんですか?
豊田(D) 実際にお話を聞いて、お値段も良心的で、職人気質かつフォローアップ体制もしっかりしている。そしてSEOに対する考え方も真摯で信用できる、というところですね。
――外部のパートナーと組むことに不安はなかったですか?
山田(D) ウェブやマーケティング周りの知見を持っている人材が社内にまだ少なく、私たちだけで解決できない問題が多かった。外部の会社さんのリソースをお借りしてでも何とかしないといけないという状態でしたので、心配などは特にありませんでした。