若年層の心をつかみ続けるには ファンCEOに聞く
ここから、ゴゴシングのファンCEOとの一問一答をお届けします。
――日本を越境EC事業の主力国として選定した理由はなんですか?
当初は、EC市場規模や今後の成長性で注目を集めている中国を優先しようと考えていました。しかし、綿密な検討を重ねた結果、日本市場が有利だと判断しました。日本は、人口は1億人程度ですが、世界有数のアパレルブランドが軒並み進出していることから、世界的なファッション愛好国だと言えます。越境ECを検討する韓国アパレル企業にとっても、非常に魅力的な市場です。
――日本における主な顧客層と、その対策について教えてください。
10代後半~20代前半の若年層で、流行やトレンドに非常に敏感な方たちです。価格が、購買決定要因(KBF)となります。シーズン別に流行を取り入れたアイテム品を適切に提示できないと、売上が低下することもあります。このような特徴は、日韓で類似していることから、トレンド分析や商品開発には継続な投資を行っています。
――どのような販促施策に注力していますか?
韓国と同様に日本も、SNSを利用したマーケティングが非常に活発です。日本では、特定のモデルに憧れるユーザーが多く、Instagramでは好きなモデルの投稿にコメントをつけて応援したりしていますよね。
弊社でも、SNSでうまくコミュニケーションが行えると、顧客からの信頼度アップやリピート獲得にもつながり、結果、売上にも貢献することがわかっています。具体的には、Instagramアカウント上に、イベント情報や新商品情報などを毎日掲載し、そこから自社サイトへの流入もかなりあります。
――7月には、原宿で「ポップアップストア」を開催しましたよね。
日本のお客様との接点を増やすため、1日限定でポップアップストアをオープンしました。当日は、ゴゴシングの人気モデルとの記念撮影やサイコロゲームなど気軽に参加できるイベントを行い、大勢のお客様にお越しいただきました。今後も、ブランドの認知向上やリピート獲得のため、定期的なイベント開催を検討しています。
まとめ
ゴゴシングは、韓国国内だけにとどまらず、事業拡大を目指し越境EC事業を積極的に展開しているアパレル企業です。10代~20代の顧客を対象に、10年間培ったノウハウや商品競争力を活かし、ここ数年、日本市場でも売上増を続けています。
その背景には、継続的なトレンド研究や顧客ニーズを反映した商品開発、日本ユーザー向けイベント開催など、積極的な取り組みがあります。長期的にはアジア市場を中心に越境EC事業拡大も計画しているだけに、今後もさらなる成長が期待されています。