まず自社工場に導入。
手書きのデータを可視化したことで得た成果とは
――CONPROSYSは、まず御社のマザー工場に導入されたということですが。
中本(C) はい。当社の小牧工場は多品種少量生産をしていますが、これは日本の多くの製造業も同様です。競合は台湾、中国などの大きなロットの工場になり、それらに勝つためにはどうしたらいいかと考えた時、CONPROSYSを使って、データの抽出、可視化、分析をして最適化を図り、強いIoT環境の構築を目標としました。 実際、今まで紙で管理していたものがデータとなり、可視化できたのは大きな成果ですね。
――実際に、どんなデータを取得するのでしょうか。
西川(C) いくつかパターンはありますが、温度や湿度の管理、ラインの監視、工員の稼働状況のモニタリング、使っている道具の情報取得などですね。たとえば「静電チェッカー」という機能は、従来、人力で確認していた工程にCONPROSYS を応用したもので、チェックをパスしていない人間は作業ができないようにしました。
――分析した結果、何か成果はありましたか?
西川(C) 同じ作業をするのでも、作業者によって時間が違うのは、以前からわかっていたことでした。それはいわゆる「熟練度」の違いだったわけですが、目で見ても判断できない。しかし、データ化すれば必ず数値で表せますよね。今まで、熟練者のどこがすごいのかわからなかった点が、数値化することで明確になりました。 また、ある作業者の離席率が多いことがわかったのですが、その原因は、部品の供給の効率や、品質に問題があることだと判明したため、その上位工程を改善することで、稼働率の上昇につなげました。
――導入にあたり、何か苦労はありましたか?
谷脇(東京エレクトロンデバイス、以下T) 今回、開発期間が2ヶ月と非常に短かったことです。それでも何とか稼働まで持って行けたのは、マイクロソフトさんが用意している可視化ツールであるPowerBIとAzure SDKのおかげでした。
小牧工場への導入でポイントとなっていたのがデータの可視化でした。PowerBIはExcelファイルやCSVファイルなどをサポートし、グラフや地図などを連携させた可視化が簡単にできるので採用いただいた次第です。
また、Azure SDKを利用することで、CONPROSYSをAzureに接続するための開発工程を大幅に短縮できたことも大きかったです。