広告投資しているのに売上が停滞 悲劇に陥りがちな五つの落とし穴とは
デジタル広告運用をはじめとするマーケティング支援を手掛ける株式会社オーリーズ。同社はクライアントの成長にコミットすべく、「まるで内製チームのような外部支援」をテーマに、コンサルタントの評価基準を売上ではなくNPSの向上に置き、非分業型で迅速な実行支援を行っているという。
同社で主にEC事業者の広告運用をサポートするコマースDivのマネージャーを務める中野氏は、まず聴講者に向けてこう問いかけた。
「次の五つに当てはまるようなEC運用をしていないでしょうか。これらは売上の持続的な成長を停滞させる原因となり得るため、注意が必要です」
中野氏は「これらは特に、多品目ECを運営する事業者がぶつかりやすい課題である」と言及した上で、広告運用のトレンドを次のように説明した。
「近年、GoogleやMetaなどの広告プラットフォームが、AIや機械学習を使って運用担当者の負担軽減を図っています。特にパフォーマンス最大化を目的とした機能の強化が進んでおり、CPAやROASの目標値を設定すると、それに適した広告の入札や配信を自動で行ってくれます」
こうしたサポートは、効率的に広告集客を進める上で必要不可欠となりつつあるが、一方で「『意図せぬリピーター偏重』という“落とし穴”に注意してほしい」と中野氏は続ける。
「現状のAIは、意図的な措置を取らないかぎりは新規/リピーターの判別が難しく、基本的に『買ってくれそうな消費者』に向けてリーチを図ります。たとえば『広告に気づきやすい人』『プロモーションへのリアクションが良い人』といった具合です。この条件を満たしやすい顧客は、リピーターであるケースも多く、自動化に任せすぎると『気づいたらリピーターへのアプローチに偏っていた』といったことが生じかねません」