Cookie規制・仕組みのブラックボックス化 広告コスト増の要因とどう向き合うか
2024年3月に、田中氏がXで発信した次の投稿をきっかけに実現した本セッション。
運用型広告、予約型広告、アドテクノロジー(特にCookie)、デジタル周り法律に詳しい方、パブリッシャーなども交えてディスカッションできるともっと良い提言はできると思った。あくまでも個人の感想。 https://t.co/DtPR37wcLf
— Tanaka Hiroki (@hyroki1980) March 21, 2024
同氏は、こうした発言を行った経緯について、こう説明した。
「残念ながら、現状はインターネット広告に対して『邪魔なもの』『悪いもの』といったイメージを抱く方も多いでしょう。消費者目線でいえば、有名人やブランドになりすました詐欺広告や行き過ぎた広告表現、コンテンツの閲覧を妨げる表示など、マイナスな印象を抱く要因は様々存在します。
これは広告配信プラットフォーム側の課題でもありますが、出稿する側であるEC事業者や支援会社にとっても完全なる他人事とはいえません。私たちにできることは何なのか、本セッションを通して探っていけたらと思います」(田中氏)
田中氏いわく、EC事業者が直面する広告運用の現状と課題は次の3点にあるという。
- Cookie制限によって、プラットフォーム外サイトの計測とターゲティングが困難になってきた(=利用できるデータの欠如が発生)
- プラットフォーム内の広告商品が強化される一方で、仕組みがブラックボックス化している
- 自動入札など便利な仕組みも出てきているが、みんなが使えばコンバージョンしやすい検索語句や場所に広告主が殺到するため、クリック単価が高くなる
オンラインでものを売る以上、スムーズな導線を描くための広告活用をゼロにするのは難しい。しかし、既にコスト高騰が話題になっているように「今後、より広告の費用対効果が合わない事態に直面する可能性はおおいにある」と続ける田中氏。その価格高騰の原因が仕組みのブラックボックス化により不明瞭な点も、広告を出稿する当事者や適切なアドバイスをしたい支援側にとっては、釈然としないポイントだろう。
「声を上げることはできても、私たちはプラットフォーム側の仕組みを変えられるわけではないため、『この世界とどう向き合うか』を考えるしかありません。広告に依存しすぎず、いかに成果を出す術を探すかが直近の課題だといえます」(田中氏)