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ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

押さえておきたい!ECトレンド図鑑(AD)

省庁も課題とするAmazon対策 越境EC売上拡大を目指すなら知っておきたい六つのポイント

決済・マーケ・プライバシー保護 全方位の対応が必須に

4. 支払い方法の多様性

 越境ECは、ものを送る際の課題だけでなく、決済手段にも目を向けなければなりません。クレジットカードだけでなく、中国向けであればAlipayやWeChat Payなどのモバイル決済、といったように、地域特有の決済手段への対応が求められます。各国で好まれる支払方法を調べて対応しなければ、購入促進をしても成果につながりません。

 世界には多くの決済手段があります。為替も踏まえて選択する必要がありますが、支払や振込方法については、「Payoneer(ペイオニア)」や「Global-e(グローバルイー)」といったサービスもあるため、こういったサービスを利用するのであれば、あまり心配しなくても良いでしょう。

5. マーケティング戦略への適応

 越境ECでものを売るには、地域ごとのリスティング広告やディスプレイ広告、SNSの選択、インフルエンサーマーケティングの適応など、その国の顧客に合わせたマーケティング戦略が必要となります。

 越境ECを始めて驚いたこととしてよく挙げられるのが、「リスティング広告の単価の高さ」です。日本の単価を基準に考えるのは大きな間違いで、ざっくり見積もっても日本の2倍から3倍程度の費用が発生します。インフルエンサーへの依頼も、日本との費用感の差はもちろんのこと、実績も含めて慎重に検討したほうが良いでしょう。「インフルエンサーに頼めばうまくいく」というスタンスではいけません。

 ブランドの認知度向上は、当然ながら時間とコストがかかります。また、世界を相手にブランド認知を獲得するのは、容易ではありません。どのようにしてブランドを際立たせ、信頼を築くか、課題を明確にした上でしっかりと向き合っていきましょう。

 越境ECで成功している企業を見ると、企業名や商品名が日本語のままであるケースが多いように感じられます。「日本ブランド」を上手に活用するのも一つの手といえます。無名ブランドの商品は、国内EC以上に購入までたどり着いてもらうのが難しいです。ブランディングの課題とも、しっかりと向き合っていかなければなりません。

6. データプライバシーとセキュリティー

 越境ECに挑戦する際は、データ保護法で有名なGDPR(EU一般データ保護規則)など、各国のデータ保護法規に準拠する必要があります。また、顧客データの保護とセキュリティー対策は、信頼されるECサイト運営に不可欠な要素です。Amazonでも、国ごとのプライバシーポリシー入力が必要ですし、自社ECサイトを構築する際にも、各国の法律や規制に沿った情報を掲載したページやそれらに準拠したシステム構築が求められます。

「Amazon対策」と依存からの脱却が今後の課題

 これらの課題に対し、私はこれまでコンサルタントの立場から解決方法や対策を提示、実施していました。しかし、近年越境EC流通額が急増する中で、従来と明らかに異なる変化が見られるようになっています。

 財務省の関税担当者からは、「越境ECの流通額が増え過ぎて、対応が後手後手になっている」といった声を耳にしますし、越境ECのコンサルティングをする人々の間でも「業界全体でノウハウ提供や解決方法の提示、最新データを使った検討会などを行う必要があるのではないか」といった意見が出てきました。

 そんなタイミングで、私は日本越境EC協会(JACCA)を一緒に立ち上げた恩蔵優氏と出口允博氏に出会います。恩蔵氏は、ハワイから日本への商品輸出をはじめ、米国への輸出入に関するノウハウと実績を多数もっています。出口氏は中国や東南アジアに強く、日本→世界に向けた越境ECの話を中心に、議論を交わすようになりました。全員が長年越境ECの推進に関する課題を抱えていて、どうすべきか何度も考えた結果立ち上げたのが、同協会です。恩蔵氏が代表理事を務め、出口氏と私が専務理事に就任することになりました。

 財務省の関税担当者いわく、今のポイントは「Amazon対策」だそうです。私自身が企業の越境EC展開をお手伝いする中でも、Amazonの販売力のすさまじさは痛感しています。米国を中心に、カナダやメキシコといった北米、イギリスやドイツ、フランスなどの欧州でも商品が売れています。

 特に、自社で越境EC展開をするリソースや知識が限られている小~中規模の企業にとって、Amazonは重要な越境ECの窓口として機能します。Amazonは、越境EC展開を進める初期段階の企業が成長を加速させる上で、強力なプラットフォームであることは間違いありません。

 その一方で、Amazonに依存しすぎることによるリスクも自覚しなければなりません。「ネッシー」と呼ばれる監視プログラムの運用と、それによる制裁の疑惑がその一つです。

 今後、越境EC売上を上げたいのであれば、固有のプラットフォームに依存せず、多様な販売チャネルやマーケティング戦略をもつ重要性が高まっていくと考えられます。日本の企業が越境ECを通じて持続的な成長を遂げるには、固有のプラットフォームがもつメリットを最大限に活用しつつも、市場の変化に柔軟に対応できる戦略構築が欠かせません。

越境ECに関する学びの場を提供するJACCA

 日本越境EC協会(JACCA)は、こうした背景を踏まえた上で、日本企業が越境ECを通じて海外市場に進出するための支援をしています。越境ECに関する最新情報、ノウハウ、セミナー情報を提供するだけでなく、これらの知識を体系的に提供し、会員企業が直面する課題に対する解決策を提示したり、定期的に開催するセミナーやワークショップでトレンドや成功事例の共有したりといった活動も盛んです。これらは、企業が越境ECの戦略を練る上での貴重な学びの場となっているという声もいただいています。

 繰り返しになりますが、日本の越境EC市場は今後も大きな成長が期待されている一方で、まだ多くの課題や問題があるのも事実です。豊富なノウハウの提供やセミナー、ワークショップの開催を通じて、日本越境EC協会(JACCA)は日本企業がグローバル市場で成功を収めるための土台を築きます。市場の中でますます重要な存在となっていくよう活動してまいりますので、興味がある方はぜひ私たちにお声がけください。

越境EC進出・売上拡大の課題を抱える方をお助けします

 日本越境EC協会(JACCA)は、越境ECを推進する日本の企業や、こうした企業を支援する方々が集まる協会です。興味をお持ちの方は、ぜひイベント・セミナー情報お問い合わせフォームからご相談ください。

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この記事の著者

JECCICAジャパンEコマースコンサルタント協会 代表理事 川連 一豊(カワズレ カズトヨ)

楽天ショップの店長時代、商品企画から行った低反発枕が大ヒットし、楽天から「低反発枕の神様」と呼ばれる。 2003年に楽天ショップ・オブ・ザ・イヤージャンル賞受賞し、 楽天にて、モバイル講師 HTMLメルマガ講師を行う。2004年7月に独立し、自身の経験からネットショップ支援を行う有限会社SAVAWA...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:一般社団法人日本越境EC協会

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://eczine.jp/article/detail/14293 2024/02/29 11:00

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