ECサイトにおける「ロイヤリティ」を考える
当記事では、GMOペイメントゲートウェイ株式会社 イノベーション・パートナーズ本部 イノベーション戦略部 集客支援グループに所属する今西が、当社が携わってきたECサイト成長支援プロジェクトの一部をお見せしながら、「プチ改修」の重要性をご紹介いたします。
前回は「直帰率」の改善をテーマに、基本的な指標の見かたや考えかたをお伝えした上で、実際に「直帰率」を下げるための施策と効果検証の方法をご紹介しました。
今回は、ECサイトの継続運用にとって必要不可欠なユーザーの「ロイヤリティ」向上について触れていきます。「ロイヤリティ」とはいったいどういった考えかたなのか、その重要性についても確認しつつ、「ロイヤリティ」向上のための具体的な施策について考えていきます。
まずはECサイトにおける「ロイヤリティ」の定義から確認してみましょう。そもそも「ロイヤリティ」は、英語で「Loyalty」と書き、忠誠や誠実、愛着などを意味する単語です。つまりECサイトで一般的に使われる、ユーザーの「ロイヤリティ」とは「ユーザーが特定の企業やブランド、商材に愛着や信頼を持ち、継続的に購入・利用すること」を指します。
ここで注意したいのは、ユーザーが「ロイヤリティ」の精神を持ち合わせていない場合は、該当のユーザーを「ロイヤルカスタマー」と呼ぶことができないという点です。たとえば、ある商品を継続的に購入し続けているリピートユーザーがいたとします。しかし、そのユーザーが「他サイトと比較して安い」ことを理由に商品を購入している場合は、ブランドや商品に対して愛着や信頼を持っている(=「ロイヤリティ」がある)とは言えません。
この「ロイヤリティ」という指標は、単純に購入金額・回数などから割り出すことができないため数値化が難しいとされています。しかし、確立された計測方法が存在しないわけではありません。
頻繁に使用されるのは、「NPS(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)」を使った計測です。この指標は、「あなたがこの企業(ブランド・商品・サービス)を友人や同僚に薦める可能性は、どの程度ありますか?」というユーザーアンケートを行い、0~10の11段階で評価をしてもらいます。回答に応じて、ユーザーを「推奨者」「中立者」「批判者」の3つのタイプに分類し、その割合を数値化するという方法です。
NPSは世界中で幅広く採用されている計測指標であるため、「現在自社が提供している商品やサービスがユーザーにどの程度の愛着を持たれているか」といった現状を把握する上ではとても役立ちます。しかし大切なのは、現状を理解した上でその数値を向上させていくことです。