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ECzine Day 2021 December レポート(AD)

ナノ・ユニバースがKARTEと実践する、顧客本位のOMO戦略とは。実践までの試行錯誤と今後の展望

店舗は『顧客と一体化する場』へ 全チャネルでシームレスな「快適な購買体験」提供へ

 ここまで紹介してきたような施策によって、TSIが目指しているのは「顧客の『個』に寄り添うOMO」であり、その実現には「顧客体験の連続性」が不可欠となる。つまりは、顧客を理解して、デジタルと店舗、モバイルとPCといったチャネルをシームレスな体験としてつないでいくことが重要なのだ。

 基本的には、来店予約し、来店し、店内でさまざまなアクションをとり、退店後にフォローアップ……という流れは、一般的なアパレルの購買行動としてどのような企業でも共通している。だからこそ、何かを強いることなく、「いつもの通りの買い物」でさまざまなサポートを実施できるようにすることが必要になるだろう。そして、そのためにはデータが必要であり、あらゆるタッチポイントのデータを取得・収集し、統合するKARTEが重要な役割を果たすことは間違いない。

  たとえば、Webの行動データを取得しても、Webブラウザを閉じれば“Webからの離脱”になり、店舗に来ても購入せずに出てしまえば“店舗からの離脱”になる。しかし、それらのチャネルでの行動がデータでつながれていれば、顧客の行動やインサイトを理解し、より的確なサポートが可能になるだろう。そのためには、これまでアナログだったオフライン側での行動をどれだけデータ化できるかがポイントであり、さらにはKARTEのような施策実行基盤でオン・オフラインを連携させることが重要となる。

 岸氏はあらためて、「自分たちの商品、サービスの感情的な価値を伝える。そのために顧客をよく『知る』ことから始める」と繰り返し、「顧客1人ひとりの行動から趣味趣向をしっかりと把握し、その次のサービスに活かしていく。そのためにはデータを突き合わせる『KARTE』のようなプラットフォームが重要であり、これからのOMOの骨子になることは間違いない」と強調した。

 中野氏も、「オン・オフラインの接点をどう立体的に配置するか。店舗スタッフやデジタルマーケティングの担当者含め、それぞれのタッチポイントで知り得る情報を横断的につなぎ、どのタッチポイントでも情報が共有され、それを元にした接客が受けられるようにすることが非常に大きなポイントになる」と語る。岸氏はそれを受けて、「スタッフ側にも共有するための画面などを準備する必要がある。それにより、スタッフの接客も大きく変化する。売るための接客から、商品のストーリーやスタッフ自身の情熱を熱く語ったり、的確なサポートを行う接客に変わるだろう。それがかなえば、店舗は『顧客と一体化する場』になっていく」と語った。

 店舗の価値も「レジをどれくらい商品が通過したか」という見方から、「最終的に売上にどのくらいつながったか」という評価に変わる可能性もある。いわばメディアとしての役割や価値が増大するわけだ。 最後にセッションを振り返り、岸氏は「OMOを考えると、顧客の“個”とスタッフの“個”というふたつの“個”が出会い、つながり、体験という価値を提供することができればと考えている。たとえば、美容師のようにずっとその顧客に寄り添い、顧客もその人に会いに来るというお店をつくることができたら」と今後の展望を語った。

  そして、中野氏も「そのためには、各ブランドや各サービスに対する顧客の期待値を的確に捉えることが大切になる」と改めて強調し、セッションを終えた。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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