動画コンテンツ活用はSEO対策にも効果を発揮する
ビジュアルマーケティングを展開する上では、コンテンツの量産が不可欠となる。その方法のひとつが、Instagramに掲載しているような「映える写真」を自社ECサイトにも活用することだ。「単に写真を並べてアテンションを獲得するだけでなく、商品詳細ページなどのコンテンツと紐づけることで、ECサイトのトラフィック増加や回遊率、CVRの向上につなげることができる」と井上氏は説明する。
「印象的だと思った写真をきっかけに、お客様が回遊を始める傾向がデータとして現れています。映えるコンテンツを常設化することが、サイトの回遊価値向上につながると感じています」(井上氏)
映える写真に加えて、さらなるアテンションを獲得するために必要なのが、当セッションの主題である動画活用だ。
2020年に始まったコロナ禍を契機に、動画コマースに乗り出した事業者は多い。しかし、緊急事態宣言の発令・延長や度重なる感染者数のリバウンドなど、状況の変化に振り回され、「PDCAをうまく回すことができていない、ノウハウを確立できていない事業者が数多くいるのが現状」だと井上氏は語る。
その一方で、動画コンテンツは多様化が進み、各社独自の表現手段を用いて、成果を挙げる事業者も出ている。
「動画コンテンツ活用においては、SNSマーケティングの一環でコンテンツを多用し、ユーザーのアテンションを獲得する戦略が鉄板です」(井上氏)
MMD研究所が発表する「2019年版:スマートフォン利用者実態調査」によると、若年層の1日のスマートフォン利用時間は、3~4時間。そのうちの約50%は、SNSと動画アプリに滞在しているとされている。まずはこうした接点に露出してアテンションを取り、オウンドのウェブサイトや自社ECサイトへと誘導する流れを生むことが重要だ。
また、SNSの動画を自社ECサイトに展開することで、SNSではリーチできない顧客層にも情報訴求ができ、機会損失をなくすほか、モール店舗との差別化を図ることも可能となる。加えて、訴求力アップやSEO効果といった副産物が多いのも、動画コンテンツの特徴だ。ウェブサイトの滞在時間も、GoogleのSEO評価の指標のひとつと考えられているが、動画コンテンツがあれば、再生回数の増加とともに必然的にこれを伸ばすことができる。
「動画コンテンツを作成するだけでなく、きちんとオウンドのウェブサイトや自社ECサイトに掲載し、見てもらうことが大切です。YouTubeのURLを貼るだけでは外部へ遷移してしまうため、自社ECサイト内で見せる工夫は欠かせません、こうした中で、当社のソリューションもうまく活用していただけると思っています」(井上氏)
ここで井上氏は、参考としてプラットフォームごとの特徴を整理した表を提示し、「各SNSの特性を踏まえながら、さまざまなチャネルで展開していくことも大切」と語った。