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閲覧する習慣づけと利便性が鍵 独身の日に400万人もの雇用を生んだ中国のライブコマース事情を解説

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施策とテクノロジーで価値向上 ユーザー数増加の秘訣はどこにある?

 中国で大衆化しているライブコマースですが、ここまでユーザー数を増やすことができた理由には、ライブコマースならではの価値やそれに付随する工夫が多くなされていることがあると言えます。ライブコマースにおける工夫や仕組みについて、実際の事例を紹介しながら説明していきます。

1. 相互コミュニケーションで商品理解度・購買意欲を高める

 まず、ライブコマースにおけるいちばんの価値は、前述したように配信者と閲覧者がリアルタイムで相互にコミュニケーションを取ることができる点です。「この服の着心地が知りたい」とコメントすれば、時間をかけて商品を見せてくれたり、「さっき着た●●と着比べて!」とコメントすれば、ほかの商品と比較して閲覧できたりレビューが聞けたりすることで、商品に対する理解が深まります。サイズ感・使用感などECならではの悩みを解消できるため、返品率の削減および購入決定率の向上につなげることができるのです。

2. クーポンやミッション設定をして閲覧を定着化させる

 配信者や配信内容の質の問題など、ライブ配信をユーザーに閲覧してもらうにはさまざまな要素をクリアする必要がありますが、閲覧する習慣づけを行うことも欠かせません。中国のライブコマースプラットフォームでは、ライブ配信の閲覧を習慣化させるような仕組みや閲覧価値を高める施策が多く打ち出されています。

 中でも、クーポン施策はその代表例と言えます。ライブ配信中に閲覧者にクーポンを配布し、ライブ配信を見ることでお得に買えるというイメージを作ります。配信を閲覧することで詳しい情報を知ることができる上、通常よりも安く購入できることがわかれば、閲覧するモチベーションにもつながります。また、ライブ配信の閲覧中のみ利用できるクーポンなど、使用期間を限定することでカゴ落ちを防ぎ、即時購入を促進します。

 このほかにも、配信に関するミッションを設定し、ライブ配信の閲覧を定着させる仕組みがほとんどのプラットフォームに存在しています。たとえば「毎日サイトに訪れる・毎日配信を見る」「配信中に●回いいねする・コメントする」「配信者を友だちにSNSでシェア」などのミッションを設定し、それらを達成することで、プラットフォームで利用できる割引クーポンを提供するといったものがあります。ユーザーも配信を見る機会が増えれば自然と愛着が湧きますし、お得に買い物できることがわかれば進んで購入するはずです。拡散してもらうことで認知が広がるのであれば、ユーザー・プラットフォーム双方にとってwin-winな関係を構築することができます。このように、毎日ライブ配信を見る・ユーザー自身が拡散する仕組みを作り、ファンを増やすという工夫もされています。

3. テクノロジーを使ってより便利な体験を提供する

 当連載の初回で、中国はテクノロジーをうまく取り入れてECをより便利にしている点も大きな特徴だとお伝えしました。ライブコマースにおいても体験をより豊かにするために最新技術が活用されています。

 タオバオライブでは、化粧品を紹介する一部配信でARを用いたタッチアップ機能を実装しています。ライブ配信中の画面内にある「ARメイク」のタブをタップすると購入ページに遷移し、ライブコマースで紹介されている商品をそれぞれ試すことが可能です。このように、商品の認知→体験→購入までの流れをスムーズにすることで購入のハードルを下げているのです。

 また、中国国内へのライブ配信に留まらず、国外に向けた配信や、国外のユーザーから中国ユーザーへの配信の需要も高まりつつあります。アリババが開発したAIでは、世界初のリアルタイム翻訳ライブ配信を実現し、214言語への翻訳が可能となりました。このように最新技術を使い、ライブコマースでの体験をアップデートし続けている点も特徴です。


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