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ECが流行る背景には何がある? Z世代ZOZOテク社員が中国ECの最新事情を解説

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 EC先進国として、コロナ禍においても大きく成果を上げる中国。文化の違いはあれど、日本のビジネスにも活かせるポイントがあるのではないかと研究を重ねる株式会社ZOZOテクノロジーズの齋藤さん、楊さんが中国ECトレンドについて語ります。SNSとの親和性も高いZ世代のふたりは今回、中国の文化背景からEC市場拡大の秘訣を分析。SNS×ECで売上を最大化する仕組みや最新アプリ事情についても紹介します。

 こんにちは。ZOZOテクノロジーズでプロジェクトマネージャーをしている齋藤・楊と申します。私たちはファッション通販サイト「ZOZOTOWN」やファッションコーディネートアプリ「WEAR」など、自社サービスの機能改善、新機能の企画やプロジェクトの推進を行っています。お互い中国にゆかりがあり、中国のサービスに興味が強いことから、自社サービスに活かせるよう、中国のアプリやサービスのリサーチにも業務の中で取り組んでいます。また、プライベートでもトレンドキャッチのために「小紅書(RED)」や「微博(Weibo)」などといった中国のアプリを使用しています。

 新型コロナウイルス感染症拡大の状況下でEC需要が高まっていますが、日本以上にECが発達している中国では、世代・地域問わずにネットで商品を買うことが国民の生活の一部となっています。今後、日本でもさらにEC需要が加速していくことを考えると、すでにEC文化が定着している中国の事例を見て、日本でも取り入れることができる部分を見つけていくことが重要になってくるのではないでしょうか。そんな中国の最新EC事情を数回に分けて、事例や背景などを絡めながら解説していきます。

なぜ中国はEC先進国なのか 数字と時代背景を振り返る

 世界のEC市場規模は現在も拡大傾向にありますが、中でも中国は各国別BtoC-EC市場シェアにおいて、55.8%と世界の半分以上を占めています(経済産業省「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より)。2018年時点でEC利用者数が6億1,000万人と、世界で圧倒的な存在感を示している中国では、今後もEC浸透率(EC利用者数をネットユーザー総数で割った数)が絶えず伸び続けると考えられています。また、中国国内の調査によると、2023年にはネット利用者のうち83%が日常的にECで買い物をしていると予想もされています。

见智研究院のレポートを基に作成

 中国におけるECの普及にともない、近年ではECプラットフォームも多様化を見せています。かつては「タオバオ」「京東(ジンドン)」などの大手ECが国内シェアのほとんどを占める状況でしたが、現在では2015年の誕生以降、ユニークな戦略で急速に規模を拡大している「拼多多(Pinduoduo)」などの新勢力が市場競争に食い込んでいます。またBtoCに限らず、「CtoC」や「S2b2c」と呼ばれる、斬新なビジネスモデルを展開するECプラットフォームも市場競争に加わり、中国のEC市場は今後もさらに細分化していくと考えられます。

 中国でここまでECが浸透している理由として、モバイル決済技術をはじめとしたテクノロジーの発展と経済成長の加速が織り成す、絶妙なタイミングがあったと考えられています。日本のかつての高度経済成長期と同様に、近年中国でも急速な富裕化と経済成長が見られています。日本とは違い、経済発展とスマートフォン・インターネットの普及が中国では同じタイミングで起きたのも特徴です。中国都市部の平均所得やGDPは2005年頃から急速に高まりましたが、これは「タオバオ」や「Alipay」のサービス開始やスマートフォンの普及時期と重なります。急速な所得上昇とテクノロジーの発展が絶妙なタイミングで重なり、中国語で「80後(1980年代以降に生まれた人)」「90後(1990年代以降に生まれた人)」と呼ばれるデジタルネイティブ世代が誕生したのです。そして彼らが今、中国全体のネット消費活動を盛り上げています。

 中国人の仕事に対する考えかたも、ネットビジネスの発展を加速させる要因のひとつになっています。中国人はビジネスにおいて「とにかくやってみよう」の精神が強く、リスクを省みないという特徴があります。肝が据わっていることを中国語では「胆子大(ダンズダー)」と表現しますが、儲けるためには「胆子」の大きさが欠かせないとよく言われるのです。日本ではリスクは回避すべきものととらえられることが多いですが、中国では「リスクがあるのは当たり前」と考えて仕事をすることが多いです。中国人のこのリスク感覚は、目まぐるしく変化するネットビジネスの世界において、常に新しいものを取り入れ続けるための重要な要素となっているのです。

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