3Dモデルの活用で商品画像のリッチ化と作成コスト削減が可能に
ここで、森田氏からシニアマネージャーを務める原周一郎氏にマイクが引き継がれ、アドビの3Dマテリアル作成ソフトウェア「Substance」について説明が行われた。
昨今、ECならびにD2Cの領域で3Dモデルを活用したいという引き合いが増えていると原氏は話す。
「3Dモデル自体は昔から存在していましたが、主に製造のプロセスでしか活用されていませんでした。今はテクノロジーが進化し、商品を3DやCGで表現してお客様に展開する流れが生まれています」(原氏)
上記2枚の写真のうち、一方は実際にカメラを使って撮影した画像で、もう一方は3DとCGを使いデジタル加工した画像だ。一見して識別することが難しいほど3Dの技術は進化している。
こうした3Dの技術はコマースの現場でどう活用されているのか。家具メーカーのIKEAは商品点数が非常に多いため、現在カタログやウェブサイトに掲載される商品画像のうち、約9割はデジタルコンテンツに置き換わっていると言う。デジタルコンテンツは複製しやすく、色や質感違いの商品バリエーションを容易に表現できるのが大きなメリットとなる。
SubstanceはAdobe Creative Cloudを構成する製品群のひとつで、CADのデータから質感を書き出し、マテリアルを作成するためのツールだ。こうしたテクノロジーが登場する以前は、ひとつのプロダクトの商品画像を撮影するために大掛かりな機材やプロのカメラマンが集められ、膨大な時間や工数がかけられていた。Substanceを使えば、CADのデータから書き出した質感を3Dモデル作成ソフトに付与するだけで商品画像が完成し、スピーディーにマーケットへ展開することができる。
「撮影コストの削減や時間短縮はもちろん、商品画像をよりインタラクティブに表現できるのもSubstanceの魅力です」(原氏)
柔軟なECプラットフォームのMagento Commerceと、スピーディーかつインタラクティブな商品画像の表現を可能にするSubstance。これらふたつを中心に、他のアドビの製品群と組み合わせることで企業はD2Cビジネスの4つのメリットを存分に享受することができるようになるというわけだ。
「アドビのソリューションはMagento Commerceだけでなく、Adobe PhotoshopやAdobe Illustrator、Adobe Analyticsなど多岐に渡ります。クリエイティブ作成からデジタルマーケティングまでEnd-to-Endでサポートできるのがアドビの強みです」(原氏)