ネイティブアドネットワークからECサイト領域への参入
東京大学発のベンチャー企業として2008年に設立されたpopInは、現在約850のニュースメディアに、レコメンド型ネイティブアドネットワーク「popIn Discovery」を提供している。2015年には中国の百度(バイドゥ)と経営統合し、中国、韓国、台湾、東南アジアにも進出。また、家電の開発も行っており、プロジェクター付きシーリングライト「popIn Aladdin」は国内で約3万台の販売実績がある。
そんな同社が2019年4月にリリースしたのが、AIによる画像認識を活用したeコマース向けレコメンドサービス「popIn Action」だ。
「弊社はユーザーの行動履歴を使うのではなく、文脈に合った『似ている記事』をレコメンドすることで、記事CTRの向上を実現してきました。コンテンツレコメンドウィジェットのpopIn Discoveryで培ってきたこのレコメンドに対する考えかたと、最新の画像認識技術を組み合わせることで、eコマース向けの画像認識AIサービスが誕生しました」(吉岡氏)
popIn Actionの主な機能と効果
popIn Actionには大きくふたつの機能がある。ひとつは画像検索。ユーザーがECサイト上でスマホに保存した画像をアップロードすると、画像をAIで解析し、類似商品の検索結果を表示する。ブランドや商品名がわからなくても、画像から商品を探すことができる。
アップロードされた画像は無償でEC事業者に提供される点もポイントだ。吉岡氏によると、アップロード画像はInstagramのものが約4割、雑誌の誌面を撮影したものが約3割、ECサイトのメイン画像を撮影したものが約2割。ほかには、テレビに映る有名人を撮影した画像もあるそうだ。吉岡氏は、「ユーザーの趣味嗜好が現れるアップロード画像は、これまでECサイトが蓄積できなかった種類のデータであり、非常に価値が高い」と語る。
もうひとつの機能は、閲覧中のアイテムの類似商品を一覧表示するものだ。ハースト・デジタル・ジャパンが運営する「ELLE SHOP」の事例では、滞在時間が約3.2倍長く、CVRは2.7倍高く、最終的な購入単価も約1.4倍高くなったという。「類似商品を表示することで比較検討が進めやすくなり、新しい商品との出会いも作れたことによる結果」だと吉岡氏は分析する。
さらにふたつの追加機能も用意している。ひとつは、「お気に入りレコメンド機能」。ユーザーがお気に入りに追加すると、その画像を解析して類似商品をレコメンドする。お気に入りの投入数を増やすことができ、直接的に売り上げに貢献できるという。
もうひとつは、「コーディネートページのリッチ化サービス」。これは、コーディネートページのメイン画像を解析し、似ている商品の一覧を表示する機能だ。一般的なコーディネートページだと、コーデ画像の中で着用している商品を手動で紐付け、2〜3点の商品リンクを設置しているケースがほとんど。その提案の幅を広げることで、各商品への到達率を上げていくことが目的だと、吉岡氏は説明した。
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- メール:sales@popin.cc(popIn株式会社 吉岡宛)