近年の手法、インサイト型
近年、ダイレクトビジネスが広く浸透してきたことにより、競合激化した商品では、上記のような正面から大上段に構えたような手法では通用しにくい局面が出てきました。そんなときに力を発揮するやり方として、上記とは別に、あえてキャッチコピーとビジュアルに関連を持たせず、「違和感」をフックにした手法もあります。プランクトンR社ではそれを「インサイト型」クリエイティブとして、提唱しています。
従来型の広告では、ニーズが顕在化している層に向けて、一撃必殺で購買へと誘う方法論が様々に生み出されてきました。
しかし、一部商材においては、すでに顧客開拓が多数の事業者によって尽くされてしまっており、枯渇している状況も見受けられます。そんな環境では、まだニーズの顕在化していない潜在層に向けて、「もしかして私にも有用なのかも」と思わせることで、じわじわと態度変容を促していくというアプローチが有効です。
この手法は、顧客に対してボディーブローのように効いてくるという性質を持っており、広告接触後、1~2ヵ月経ってからようやく購買するという、レスポンスの足の長さが際立っていたり、複数回接触が有効であったりと、従来のダイレクト広告とは違った反応のパターンを示します。このクリエイティブ手法は、複数の事業者で実行され、結果としてその有効性も実証されていますので、ご興味のある方はぜひ問い合わせてみてください。
「悪目立ち」にはならないように
とはいえ、とにかく人の耳目をかっさらおうとして、あまりに露骨に悪目立ちするようなビジュアルの利用は、気を付けた方がよいでしょう。視聴者のアイキャッチは取れるかもしれませんが、対象とする製品やサービスが提供する価値とズレていれば、結果的に購買後の顧客満足度に悪影響を及ぼしかねません。
製品広告本来の役割として、製品の良さを伝える役目からかけ離れ、その本質を見失ってしまっては意味がありません。成果として数字を追いかけるあまり、奇をてらいリアクションを取ろうとする広告も見受けられますが、製品にそぐなわない価値観に基づいてアイキャッチを得たところで、そういった顧客は結果的に離反していくことになります。何を目指してアイキャッチを取ろうとしているのか。その目的がずれているのならば要注意です。