データ活用プロジェクトがうまくいかない、ふたつの落とし穴
ブレインパッドの主要事業のひとつが、企業のデータを預かり、データ分析・コンサルティングを行うというもの。分析プラットフォームのひとつとしてMicrosoft Azureの機械学習を用い、分析結果をPower BIで可視化することで顧客と結果を共有している。創業12年目を迎え、豊富な実績を誇る同社から見て、企業のデータ活用プロジェクトがうまくいかない「落とし穴」があると言う。
その「落とし穴」は、プロジェクトの「途中」と「最後」にある。
データ活用プロジェクトの落とし穴は、コミュニケーション
まずプロジェクトの途中ではまる落とし穴だが、「分析結果が施策につながらない」という本末転倒な事態がめずらしくない。
具体的には、「セグメント数が多すぎる」「セグメントが現実的ではない」といった理由から、施策が実施できなくなってしまう。精緻な分析を求めるあまり、数百に及ぶクラスタが出てきてしまったり、よいクラスタを見つけたと思っても、施策を打つべき会員や商品が存在しなかったりするのだ。
一方、プロジェクトの最後ではまる落とし穴だが、「成功基準が明確ではない」ために、分析結果が施策に結びついたとしても、効果検証の際に思わぬ部署からツッコミが入ったり、逆に勝手な指標で評価されたりといったことが起きる。
「後出しじゃんけんをしたくなる気持ちはわかるのですが、そうなると、そもそも何のために分析したのか、本末転倒になってしまいます。それを避けるために、もはやテクノロジーでも分析でもないのですが、普段、お客様には、キーマン全員としっかりとコミュニケーション取っておいてくださいとお伝えしています」
具体的には、合意を取りやすい仕組みをつくることが重要だとして、KPIシート例やプロジェクト開始時のチェックリストなどを示した。
つまり、分析と施策が分断されているのが問題で、分析と施策が相互に入り組んでいるのが正しいプロジェクトフローなのだ。