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ECzine Day 2023 Autumn レポート

ステマ規制、理解できていますか?シチュエーション別の判断基準と注意点をフローチャートで紹介

 2023年3月28日に、消費者庁が景品表示法5条3号の規定に基づいて発表した「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示」(以下、指定告示)。この指定告示に基づき、同年10月1日よりスタートしたのが、いわゆる「ステマ規制」だ。事業者はペナルティーを課せられないよう、このタイミングでSNSやUGCの活用をどう見直せば良いのだろうか。2023年9月22日開催の「ECzine Day 2023 Autumn」にて、一般社団法⼈クチコミマーケティング協会 運営委員会委員⻑/東京工科⼤学 准教授・博⼠の藤崎実氏が、健全なブランドコミュニケーションと今後のマーケティング活動のヒントを伝授した。

消費者に対し、「事業者の表示」であることを明らかにするために制定された「ステマ規制」

 これまでも悪手なマーケティングとして問題視されてきたステルスマーケティング(以下、ステマ)。2022年内に複数回開催された「ステルスマーケティングに関する検討会」を経て、消費者庁は2023年3月28日に指定告示を公表した。いわゆる「ステマ規制」と呼ばれる同告示は、2023年10月1日に施行されたが、具体的にはどのようなものなのか。藤崎氏は、まずその概要から説明した。

ステマ規制は、景品表示法の一部です。景品表示法は、消費者を誤認させる誇大広告など、事業者による不当表示を規制する法律を指します。商品・サービスを実際よりも優れているように見せる『優良誤認』や、実際よりも著しく有利・安いと感じさせる『有利誤認』など、不当表示に関する類型は様々ありますが、今回その中に加わったのがステマ規制と称されている『一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示』です」

⼀般社団法⼈クチコミマーケティング協会 運営委員会委員⻑/東京工科⼤学 准教授・博⼠ 藤崎実氏
⼀般社団法⼈クチコミマーケティング協会 運営委員会委員⻑/東京工科⼤学 准教授・博⼠ 藤崎実氏

 指定告示が新たに加わった背景には、『消費者保護』の観点がある。ステマは、一般消費者が商品・サービス選択を行う際に誤認を招く可能性が高く、消費者庁にも多くのクレームが寄せられていた。「指定告示が定められるまでの経緯は、消費者庁のウェブサイト内『ステルスマーケティングに関する検討会』にすべて公開されている」と藤崎氏は説明。消費者庁は事業者に対し、新たな規制に対する適切な対処を求めているのである。

ステマ規制は全媒体、全表現形態に適用される

 しかし、指定告示に目を通しても難しい文言が並び、どのようなケースが不当表示に該当し、措置対象となるのか理解が難しいと感じる読者もいるだろう。具体的な線引きとして、藤崎氏は「『事業者の表示』であるにも関わらず、『事業者の表示』であることが一般消費者にとって判別困難な場合に、不当表示とみなされる」と指摘。意図的にわかりづらい表示をした場合も法規制の対象になると、改めて注意を呼びかけた。

「景品表示法では、企業の広告や宣伝としての役目を持つ情報を『表示』という言葉で表現しています。そして、いわゆる広告やインフルエンサーに依頼した投稿、記事のことを『事業者の表示』と表現しています。

 たとえば、テレビでは『番組本編(コンテンツ)』と『事業者の表示(TVCM)』が切り離されているため、一般消費者から見て両者の区別は明瞭ですが、ウェブ上ではこうした境界が不明瞭です。また、企業から依頼を受けたインフルエンサーによるSNSへの投稿は、企業による宣伝であるにも関わらず、消費者がウェブ上の投稿だけを見た場合、その事実がわからない点に大きな問題があります。

 ステマ規制は、こうした点を問題として定められました。つまり、『事業者の表示』であることが不明瞭なままだと、消費者の誤認を招き、自主的かつ合理的な商品選択が阻害される恐れがあります。消費者にとっての不利益を防ぐのが、ステマ規制の大きな目的です」

 ここまでの説明を踏まえると、ウェブ上の「事業者の表示」が問題視されているが、ステマ規制の対象は媒体を問わない。そのため、ウェブサイトやSNSに限らず、チラシ、パンフレット、新聞、放送などマスメディア含むすべての媒体を活用する事業者が、規制の対象になる。また、「事業者の表示」と定義される表現形態も文字、音声、画像、動画など多様であるため、広告・宣伝をまったく行わない場合を除き、今回の規制はほぼすべての事業者が目を通しておくべき事項であるといえよう。

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この記事の著者

景山 真理(カゲヤマ マリ)

フリーランスのライター。EC店舗、タウン情報誌制作会社、マーケティング支援企業などへの勤務経験を経て、ウェブメディアや雑誌をはじめとする紙媒体のライティングの仕事をしています。専門領域はデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、ECのセールスメルマガ、仕事・働きかた、デジタルトランスフォーメーションです。 ウェブ●Mari Kageyama Writing Works

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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