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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECホットトピックス(AD)

商品だけでなく“すべて”が見つかるECへ SHIPSがサイト内検索で実現した新たな情報提供の形

リニューアル後のスタイリングページPVが約2倍に 顧客の行動ログは貴重な財産

 シップスでサイト内検索エンジンの運用に携わるのは、萩原さんを加えてもわずか3名。全員が運用を主務とするわけではなく、手動でチューニングを行うのは現実的ではない。実際にgoo Search Solution導入以前も「0件ヒットをなくす対応を行うだけで手一杯であった」と萩原さんは振り返るが、扱う情報量が増えた現在はどう対処しているのだろうか。

萩原 goo Search SolutionはAIがユーザーの行動ログから自己学習し、毎日自動で検索結果の最適化を行ってくれます。gooの表記ゆれ辞書だけでなく、シップスオリジナルの表記ゆれ辞書を作成できる点は、選定時にもたいへん魅力的と感じました。お客様に最適な検索結果を提示したいと考えながらも、手動ではトレンドや季節要因を踏まえたり、お客様の行動ログに基づいたおすすめを提示したりといったことは困難です。goo Search SolutionのAIは、こうした理想をかなえてくれる心強い存在と言えます。

北岡 シップス様がgoo Search Solutionの利用を開始してから取材時点で約3ヵ月が経過していますが、すでに数百万件の登録がある当社の既存辞書に加えて、新たにシップス様のログからAIが生成した独自の辞書登録件数は1,300を超えています。手動で同じ数の辞書登録を行おうとしても難しいのはもちろんですが、AIだからこそ人間では思いつかない表記ゆれを生成することができている状況です。たとえば、「ロングティー」と「ロンT」、「バルテッドコート」と「ベルテッドコート」といった解りやすいものから、「再度アジャスター」と「サイドアジャスター」、「マスクうトラップ」と「マスクストラップ」、「の.4」と「no.4」など、さまざまな誤字脱字や表記ゆれが辞書生成されています。こうした細かな点までカバーできるのは、AIだからこそと言っても過言ではありません。

 ECサイトの検索キーワードボリュームは、ロングテール構成になっており、検索の8割はテールワードです。つまり「いかにテールワードをカバーできるか」が適切な情報提示や売上向上の鍵を握りますが、人間が目視で見つけ、チューニングできるテールワードは上位0.1%以下と言われています。手動では取りこぼしてしまうようなキーワードもgoo Search SolutionのAIを使えば、網羅することが可能です。

 コロナ禍を契機に、スタイリング投稿や動画配信を行うアパレルブランドが増え、各社の担当者と意見交換する中でも「見せかたに悩む声を耳にする」と言う萩原さん。コンテンツの検索をも可能にしたSHIPS 公式サイトのリニューアルは、業界内からも反響が寄せられているそうだ。

萩原 現場担当者の目線から「新しいね」というお声をいただけるのは、非常にうれしく思っています。肝心なお客様の動きについても、goo Search Solution導入後は前年の同時期と比べても検索後のPVが1.5倍、スタイリング関連ページのPVは約2倍に跳ね上がり、異常値かと思って問い合わせたほどでした。もちろんきちんと数値の測定はできていたのですが、これだけ良い結果につながったのは当初の狙いどおり、お客様にきちんと発見の機会を提供できているからこそと考えています。

北岡 私が他社の方々とお話をする中でも、「SHIPS 公式サイトの検索はすごいね」とお声をいただく機会が着実に増えています。アパレル各社が気にされているサイトの磨き込みに参加できていることを肌で感じました。

 今回のリニューアルは、「膨大な情報をいかに見せるかに苦労した」と続ける萩原さん。従来のSHIPS 公式サイトでも、CVRはスタイリング閲覧の有無で約3倍、特集コンテンツ閲覧の有無で約2倍の差があったが、閲覧数から割り出すとコンテンツの閲覧が主ではなく、商品を探しに来ている人が7割以上となっていた。コンテンツを有効活用したいものの、それがノイズとなってしまっては本末転倒である。良い塩梅を探る上で意識したのは、「店頭のレイアウト」だったと語る。

萩原 店頭でもまず、キャンペーンやイベントのPOPなどは外からでも見える場所に配置しますよね。そして、いちばん見せたいものを店内前方へレイアウトし、そのほかコーナーごとにバリエーションを表現しています。その多様性をオンライン上でどう実現することができるか、Googleのようなスマートな見せかたを実現するとともに、タブごとの検索結果のレイアウトにも工夫を施しました。

 また今回のリニューアルを機に、スマートフォンサイトのヘッダーに検索ボックスを、さらにはフッターにも検索動線を設置しています。これもコンセプトを体現したもので、潜在層・顕在層を問わずSHIPS 公式サイトに来たお客様にまず検索から行動を始めてもらいたいと考えています。欲しいものが明確なお客様には、お目当ての商品がすぐに見つかるような検索結果を提示する。まだ欲しい商品が明確でないお客様には、スタイリングやコーディネートで選択肢を示し、好みに合うものを見つけていただく。情報との出会いや接点を増やすことで、悩まれている方の後押しや潜在層への購買喚起につながると実感しています。

北岡 サイト内の行動ログは、各社が持つお宝と言えます。同じアパレルでも年代や嗜好性によってお客様の特性は異なるため、100%満足のいく検索結果を表示するには、一律の表記ゆれ辞書反映だけでなくAIを使い、ブランドオリジナルの検索を作り上げることが必須です。運用の自動化もgoo Search Solution活用のポイントであることはもちろんながら、日々サイトを成長させることができる点にも魅力を感じていただけたらと思います。

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情報を検索で連携させ、ユニファイドコマースを実現

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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