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従来の月額定額制ではない サブスクリプションの本質 つながり続けるマーケティングへ

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2020/03/25 07:00

 サブスクと自社のビジネスをどう関係づければいいか悩んでいるEC事業者へ。物販のEC経験者である西井敏恭さんにサブスクの本質を聞いた。 ※本記事は、2020年3月25日刊行の『季刊ECzine vol.12』に掲載したものです。

 サブスクリプションという言葉が日本のビジネス業界で使われるようになって、数年。それ以前から、通販/EC事業者は定期購入モデルを展開してきた。当初「サブスク」が入ってきたときには、「今さら何を」と思った事業者も少なくないだろう。その後日本国内でも、レンタルサービスや物販の月額制サービスもいくつか登場したが、通販/EC事業者が、自らのビジネスモデルを考え直すところまでは至っていないのが現状だ。

 サブスクは気になるけれど、自社のビジネスとどのように関係づければいいかわからない。そんな中登場したのが、書籍『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』(翔泳社)である。物販のECの経験者で、かつ定期購入モデルに詳しい、著者の西井敏恭さんに話を聞いた。

株式会社シンクロ 代表取締役社長/オイシックス・ラ・大地株式会社 執行役員 CMT/GROOVE X株式会社 CMO
西井敏恭さん

サブスク=月額定額制ではない 物販のECが学ぶべきこと

 まず本書で明確に示されるのは、「サブスクリプションは、従来の月額定額制ではない」ということだ。月額定額制には、通販/EC事業者がこれまで行ってきた、従来の定期購入モデルも含まれる。

「単品通販に代表される定期購入モデルは、ネットが登場する以前に、日々の生活で頻繁に利用するものがなくなる前に、電話やFAXで注文せずとも商品が届き、かつ定期的に購入するため価格が安くなるというメリットを提供していました。しかし、スマホが浸透した今、ワンクリックで注文ができるようになり、翌日配送が当たり前になりました。定期購入モデルに、それほどメリットが感じられなくなっています。たとえば商品が自動的に届く定期購入モデルは、商品を使い切る前に次の商品が届いてしまうといった課題もありました」

 西井さんの前著『デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法』(翔泳社)は、リピートの重要性を説き、CRMのノウハウを示した本である。スマホの浸透やECモールの台頭、オムニチャネルの必要性から、通販ビジネス未経験者もECに参戦していったが、多くが広告費を費やして新規顧客を獲得することばかりに専念し、CRMにまで手が回らずにいた。ネット広告の技術的進化ばかりが注目を浴び、「つながり続けること」がおざなりになっていたときに、その限界に気づいたEC事業者からこの本は支持を受けることになった。

 F2転換率を向上させ、リピートを促進し、CRM施策を回してLTVを拡大していくことは、一朝一夕には成果が出ないものだ。西井さんがそこで実績を出し、体系立てたノウハウを他の人にも伝えられるようになったのは、定期購入モデルの代表であるコスメECを経験し、Oisix、らでぃっしゅぼーや、大地を守る会、とくし丸、という食品の定期宅配事業が集結した、オイシックス・ラ・大地での、現在進行形の取り組みがあるからだろう。

「Oisixはサブスクという言葉が流行る以前からサブスクリプションモデルを行っていたので、『先見の明がありますね』と言われることもありますが、当社の目的は『豊かな食卓を作る』こと。そのために、今は食品のサブスクリプションを行っているだけなのです」

この記事は、紙の定期購読誌『季刊ECzine』に掲載した限定公開の記事です。
続きは以下の方法でお読みいただけます。


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連載:季刊ECzine vol.12特集「Essence of Subscription~つながり続けるための顧客体験とは~」

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