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広告で売上を作る、からの脱却 おさえておきたい5つのCRM分析

定点観測02 分析
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 EC事業者がおさえておきたい、13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。プリンシプル木田さんに、分析について聞きました。※本記事は、2019年12月25日刊行の『季刊ECzine vol.11』に掲載したものです。

CRMの重要性 広告最適化から切り替えを

 今回は、さらにCRM分析を掘り下げる。

 「EC業界が属するインターネット世界は過去10年くらい、Googleが王様でした。Googleは広告を利用してもらうことによって成り立っている企業です。そのため広告を中心とした手段で、自社サイトにユーザーを引っ張ってくるノウハウについては、記事も書籍もたくさんあり、その技術やテクニックは高度に高められています。そうしたノウハウを追求するあまり、私たちはあまりに広告を中心とした考えに偏りすぎているのではないでしょうか。それが合理的だったのは、インターネットユーザーが増加し続けてきたからです。しかし今後は、広告一辺倒では難しい。確かに広告は重要で、タイヤの片輪ではあるけれど、もう片方のCRMがないと車が走らない時代になってきているのです」

 実際、木田さんのところに相談を寄せるクライアントも、広告効果を最大化する取り組みには精通していても、CRMを最適化する取り組みにはまだ未着手のところが少なくないと言う。だからこそ、今他社に先んじてCRMに取り組むことは、得られるメリットが大きくなるとも予測できるわけだ。

 「各月の売上は、今月初めて購入してくれた新規顧客からの売上と、先月までに購入したことがあって、今月も購入してくれた既存顧客からの売上との合計で成り立っています。新規顧客が来月も購入してくれれば既存顧客の売上が積み上がりますし、積み上がった分、すなわち既存顧客のLTVが十分に増加していれば、新規顧客を獲得するための広告投資にも回すことができます。CRMに成功していると、CPAを高く設定し、他社に競り勝つことができる。新規獲得とCRMはお互いに助け合う立場であり、どちらもうまくいくと売上は拡大するのです。新規顧客を獲得することだけで売上を作ろうという発想から、頭を切り替えてください」

 既存顧客からの売上の獲得について、新規顧客からの売上獲得と同様、広告を利用しているという場合もある。その場合、広告でしか実現できない新規顧客を獲得する原資が減ってしまうことを意味するが、背景には、4つの要因があると言う。

 「ひとつめは、新規獲得とCRMが別であるという明確な方針がないからです。とにかく今月の売上を達成することに躍起になっている。次に、既存顧客を除外して広告配信を行うことができるのですが、そのこと自体を知らない、もしくはやりかたがわからないから。そして、広告主側の担当者がCPAをよく見せたいから。既存顧客を除外して新規を獲得することは、よりハードルが高いですよね。最後に、3つめと同様ですが、外部の広告担当者がCPAをよく見せたいからです。総じて、CRMがうまくいっていないから、広告で露出すればいいだろうという安易な施策を行っているのだと考えられます」

 広告と比較して、CRMは定型化しにくいことも一因だ。広告はメディアや広告プロダクト、そしてターゲティングなどの手法、結果の分析をある程度学べば、誰もがある程度の施策を行うことができる。しかしCRMは顧客理解が必要になるため、企業やブランドによって最適解は異なる。記事も書籍も書きにくいためノウハウが共有されにくく、CRMコンサルタントといったビジネスはスケールしにくいのだ。

 「これからは、CRMをきちんとやったところが新規獲得でも勝つことは間違いないでしょう。2020年はCRM元年と言ってもいいと思います」

この記事は、紙の定期購読誌『季刊ECzine』に掲載した限定公開の記事です。
続きは以下の方法でお読みいただけます。


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連載:季刊ECzine vol.11定点観測

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