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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

季刊ECzine vol.22特集「Above and Beyond expectations!!~期待以上の体験を提供するテクノロジーとブランド~」

サステナブルアップデートで成長を示す 顧客の声を取り組みのヒントに変化するFABRIC TOKYO

慣習にも常に疑問を持ち、体験を磨き上げる。ブランド愛と熱量の高いコミュニティを育む秘訣とは。 ※本記事は、2022年9月25日刊行の『季刊ECzine vol.22』に掲載したものです。

 人々の商品・サービスを見る目が非常に肥えている現在。顧客に「意義がある消費」ととらえてもらい、「選ばれるブランド」になる決め手は「共感」と「体験価値」にあると言えるが、それらを創出するのはひと筋縄にはいかないのも実情だ。また、選ばれ続けるには時代や顧客の変化を読み取り、ブランド自体も変化しなければならない点も難しさと言えるだろう。

 こうした複合的な要素を踏まえながら、コロナ禍においても高い支持を獲得し続けるのが日本のD2Cの先駆けとも言えるカスタムオーダーアパレルブランド「FABRIC TOKYO」だ。同ブランドを運営する株式会社FABRIC TOKYO 代表取締役CEOの森雄一郎さんに、「サステナブル」「コミュニティ形成」をキーワードとした直近の取り組みと、ブランド運営や施策展開において重視している考えかたなどについて話を聞いた。

株式会社FABRIC TOKYO 代表取締役 CEO 森雄一郎さん

HI-SUSTAINABILITY実現に向け、ほぼ毎月挑戦を形に

 ショールーム型の店舗を全国14ヵ所に構え(2022年8月時点)、オーダーメイドスーツをはじめとするさまざまなビジネスウェアをECで注文できるサービスを提供するFABRIC TOKYO。一度店頭に訪れて採寸、もしくは手持ちのスーツ・シャツを採寸・送付してサイズ登録した後は店舗へ足を運ぶことなく、好みの生地を選んでリピート購入できるクイックさが特徴だ。2014年に前身ブランド「LaFabrics」を開始し、日本では早期からD2Cでビジネスを展開する同社は現在「すべての人がライフスタイルを主体的にデザインできる社会を実現したい」という想いを込め、「Lifestyle Design for All」をミッションに掲げている。

「オーダーメイドは、『主体的な買い物』の代表格と言えます。お客様が自ら商品デザインのプロセスに関与し、デザイナーのような感覚で洋服を作ることができますし、受注生産というビジネス構造上、過剰在庫を抱えることがありません。サステナビリティの観点からも意義がある運営スタイルであり、お客様からはこうした点も支持いただいているのではないかと思っています」

 FABRIC TOKYOでは2021年にブランドフィロソフィーをアップデートし、「HI-3(HI-JOY、HI-TECH、HI-SUSTAINABILITY)」を掲げてサービスの磨き込みを実施。2022年4月からは「HI-SUSTAINABILITY」に則ったアクションとして、「サステナブルアップデート」を推進している。

「アパレル産業は、国連貿易開発会議で世界第2位の汚染産業と指摘されています。また、労働者の搾取、多様性の欠如など業界全体で解決しなくてはならない課題が多数存在するのも実情です。

 当社はこれらに対し、オーダーメイドという選択をより気軽なものとしたり、クリエイティブな発想でできることから商品やサービスをサステナブルなものに進化させたりすることで、何か貢献できるのではないかと考えました。そこで、サステナビリティ実現に向けたチャレンジをサステナブルアップデートと名付け、可能な限りは毎月何かしらのアクションを発表するように心がけています。1歩ずつ前に進む様子を発信することで、お客様にも意識を高めていただきながらともに成長できればと思っています」

 FABRIC TOKYOの特徴は、こうした取り組みにも顧客の声を反映している点にあると言える。たとえば、2022年4月に発表したサステナブルアップデート#1では付属品のハンガーとガーメントカバーの有無を選択式にし、梱包にも環境に配慮した工夫を施した。スーツはデリケートな商材だが、既存顧客から「同封されたハンガーとは別のものを使用している」「梱包が過剰に感じることもある」といった声がこれまでにも寄せられていたと言う。

「毎月取り組みを発表するのはハードに見えるかもしれませんが、当社はお客様から日常的に直接フィードバックを得ているため、まだまだ変えていけることは多く存在します。また、こうした細かなアップデートをかけることができるのは、小回りが利くD2C、かつ自社でカートシステムを構築しているからこそです。今後も適切なUI/UXで時代やお客様の要望に合わせたサービスを提供できるよう、磨き込みを続けていきます」

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この記事の著者

景山 真理(カゲヤマ マリ)

フリーランスのライター。EC店舗、タウン情報誌制作会社、マーケティング支援企業などへの勤務経験を経て、ウェブメディアや雑誌をはじめとする紙媒体のライティングの仕事をしています。専門領域はデジタルマーケティング、コンテンツマーケティング、ECのセールスメルマガ、仕事・働きかた、デジタルトランスフォーメーションです。 ウェブ●Mari Kageyama Writing Works

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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