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情報を届けるだけがCRMではない 顧客理解を深めサービスを全体設計するhomealが生む心地よさとは

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2021/06/02 07:00

 自身が好きなものを扱う、業界や商品に対して感じる課題を解決する。こうした自分軸を起点に顧客を巻き込み、ビジネスを成長させるのがD2Cの本質のひとつと言えよう。オンライン起点のビジネスでありながらも、人間が介在する重要性を考えてバランスよいCRMを実現し、親と子どもの課題を幼児食という視点から解決しようと取り組むのはhomeal株式会社の鬼海さんだ。今回は、同社のサイト構築を手掛けた株式会社StoreHeroの黒瀬さんとともに、Shopify活用やhomealの目指すCRMの形について語ってもらった。

 幼児食宅配サービスを手掛けるhomealは、2020年9月に本格的にサービス提供を開始。幼児食診断を行い、結果を踏まえてカスタマイズした幼児食を定期BOXで各家庭に届けている。創業者の鬼海さんは、自身の子どもが1歳前後で乳児湿疹を発症したことをきっかけに、子どもが摂取する食べ物や飲み物の大切さに目を向け、独学で学んだ結果、離乳食から大人と同じ食事をする間の過程にある幼児食の存在を知ったと言う。

 幼児食は、1歳半~6歳頃までの子どもが口にする食事のことを指す。約5年間もの長期間、かつ毎日摂取するものであるにもかかわらず、このフェーズをフォローする専門サービス・商品がないことに気づいた鬼海さんは、自分と同じように子どもの健康や栄養、食事に気を配りたい人もいると考え、事業を立ち上げた。

 今回は、2021年6月9日に開催する「ECzine Day 2021 Summer」への登壇を前に、鬼海さんと同サービスのサイト構築を手掛けるStoreHeroの黒瀬さんに、Shopify活用を決めた経緯や現在行っているCRMについて話を聞いた。

メーカーや小売ではなくサービス業 顧客をケアするhomealの信念

――homealのストア構築を黒瀬さんが手掛けることになった経緯と、現在どのような施策を行っているか教えてください。

鬼海(homeal) きっかけはコロナ禍以前に共通の知人が開いたイベントでした。興味本位で遊びに行ったところ、黒瀬さんと笹谷さん(StoreHero 取締役COO)とたまたま同じテーブルになり、少し情報交換をしたんです。

 当時のhomealは、ちょうどベータ版の商品を一般販売するためにBASEで簡易的な自社ECを立ち上げた直後で、いわばテストマーケティングを行っているフェーズでした。その頃、僕はShopifyのことをほとんど知らなかったのですが、おふたりと話して「Shopifyでサイト構築をしている会社」というキーワードが頭の中に残っていました。

 そして半年ほどテストマーケティングを続け、ある程度ビジネスとしての形が見えてきたので本格的なサイトを作り込もうと考えたのですが、幼児食診断や定期便の機能を実装したいと思うとBASEで実現するのは難しく、方法を模索していました。フルスクラッチでやるしかないのだろうかと思った矢先に、友人から「Shopifyがよいのでは?」とアドバイスを受け、黒瀬さんの存在を思い出してコンタクトを取ったのが2020年の5月末頃です。

homeal株式会社 代表取締役CEO 鬼海翔さん

黒瀬(StoreHero) ちょうどその直前に別のお客様から「診断販売をしたい」とリクエストを立て続けにいただき、「相性のよい商品にはすごくはまる手法だ」と手応えを感じていたんです。「これはもう少し力を入れてやるべきなのでは」と考えていた矢先に鬼海さんから相談をもらい、素晴らしいタイミングだなと思いました。なので、homealのサイト構築の初期段階から携わらせてもらっています。

――homealのサイトやサービスは、人間的なコミュニケーションを重視している様子が見受けられます。実際に顧客と関係を構築したりCRM施策を実施したりする中で、心がけていることをお聞かせください。

鬼海 僕自身、homealはメーカーでも小売業でもなく、サービス業であると考えています。メーカーはものを作ること、小売業はものを売ることにフォーカスを当てていますが、僕らのようなスタートアップのD2Cの場合、「サービスを提供している」という意識を持つことがすごく大切です。ユーザー体験を軸としたビジネスであるべきだと創業前から考えていて、実際に運営が始まってからもそれを痛感しています。

 とくに当社が手掛ける幼児食の場合、お客様は大きな課題をお持ちのケースが多く、その課題解決をサポートするユーザー体験を生み出すことが、僕らのやるべきことです。そうした際に、プロダクトだけで100点を取ることはほぼ不可能に近いんですよね。なぜなら、完璧な幼児食は存在しないからです。

 子どもは大人と違い、食べない日が存在します。それは「おいしいかどうか」という軸で決まるのではなく、その日の気分などさまざまな要素が関係してきます。こうした問題を解決するにはプロダクトだけでは不十分で、たとえば「どんな声掛けをするか」「どんなスプーンを持たせるか」「どういう食卓を作るべきか」といった多方面からのアプローチが必要です。要はプロダクトだけでなく、コミュニケーションも大切でこれらが両輪となって動いてこそ、子どもの食に対する悩みや課題解決につながります。それを踏まえてどうコミュニケーションすべきか意識してUXの設計やCRMを行っています。

黒瀬 僕はテクノロジー側の人間なので仕組みとしての効率化を考えてしまうのですが、鬼海さんは写真1枚を選ぶにもお客様のことを考え、ものすごくこだわっている印象があります。homealのサイトを見た際に感じる居心地のよさは機械的にUXなどを追求するのではなく、鬼海さんがお客様のことを真剣に考えて細かいところまでケアをしているからこそのものだと、一緒にサイト構築をして感じました。

 僕としてはStoreHeroを創業した経緯ともつながるのですが、人の能力をテクノロジーで拡張したいと考えています。これまでデジタルマーケティングの世界で生きてきて、ひたすら最適化を追求していましたが、効果がある反面それだけだと頭打ちになることも痛感していました。新たな販売の形を作る上で、テクノロジーでサポートしながらも人の魅力を消さない方法はないかと考えていたタイミングで鬼海さんと仕事をして、「こういうことがやりたかった」と気づきを得ることができました。

 診断販売自体は、さまざまなツールが存在しているため実装すること自体はそこまで難しくありません。しかし軌道に乗せる上では、どう味つけをするかが非常に重要です。その違いはやはり「どこまでこだわるか」に尽きると思います。

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