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中国ECトレンドは日本にも活かせる? トレンドワードから日本流の新たな売りかたを考える

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商業施設が企業・ブランドと連動 日本で進むライブコマース活用

2. ライブコマース

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、この1年ほどで日本の企業・ブランドやモールにおいても、ライブコマースの導入が加速しました。ファーストリテイリングが展開する「UNIQLO」「GU」では、2021年1月よりライブコマース「UNIQLO LIVE STATION」「GU LIVE STATION」を定期的に実施しています。自社EC上での配信となるため、視聴しながらそのまま購入できるところがポイントです。

 また、ショッピングモール単位でライブコマースに取り組む動きが出ているのも、昨今の特徴です。三井不動産グループは、同グループが運営する商業施設「ららぽーと(TOKYOBAY ・横浜・富士見)」「ラゾーナ川崎プラザ」「ダイバーシティ東京 プラザ」「COREDO 室町テラス」がライブコマースを実施するオンラインショールーム「MEETS SHOP」を2020年12月に開設。商業施設内のスタッフやインフルエンサーが出演し、商品の紹介を定期的に行っています。

 さまざまな企業・ブランドのライブコマース活用が進むにつれ、最新技術を活用し、ユーザー体験をよりよいものにする取り組みも増えつつあります。パロニムが提供する「TIG LIVE」では、紹介している商品のバーコードや二次元コードをその場でスキャンし、ライブ画面上に商品導線を設けることが可能です。ユーザーのコメントやリクエストに応じて、紹介する商品を自由自在に更新・変更・追加できる点がメリットとなっており、さまざまな企業が同サービスを取り入れたライブコマースに取り組んでいます。

 このように、日本でも新たな技術を活用しながらライブコマース市場が広がり始めていますが、あくまで発展途上期というのが現状です。プラットフォームも限られており、中国ほど日常的に活用する段階にまでは至っていません。元をたどると、数年前にも一度日本にライブコマースブームが押し寄せていましたが、当時は日本の消費行動に定着せず、早期段階でクローズしてしまうケースも見られました。コロナ禍でInstagramをはじめとするSNSを活用したライブ配信が一般化している中、SNSのコマース化も進んでいます。こうした世界的なプラットフォーマーの動きは、ライブコマースを浸透させる大きなトリガーになり得るかもしれません。

 また、ライブコマースの定着化においては、環境整備のみならず配信者の育成も重要です。日本においても、YouTuberを束ねるMCN(マルチチャンネルネットワーク)企業は徐々に増えつつありますが、ショートムービー・ライブコマースの市場規模がまだ小さいため、中国ほどの成長には至っていません。中国では、ターゲットや商材に特化したMCN企業が多数存在しており(参考:enet.com.cn調べ「MCN企業ランキング」)、動画制作・配信者育成・ライブコマース事業・商品開発など幅広いビジネスを展開するなど、他国と比べてもMCN市場の成熟化が進んでいます。

 今後、ライブコマース需要が増え、動画産業の市場規模がさらに大きくなれば、日本でもYouTube以外のMCN事業者が増加し、ジャンル特化型の事業者なども出てくるかもしれません。日本のライブコマースの活性化は、プラットフォームの体制強化とインフルエンサーをはじめとする配信者育成事業の2軸が相互に作用することで、実現に向かうと考えられます。


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