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コーヒーでピークエクスペリエンスを提供する PostCoffeeがサブスクから生み出す文化と体験

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美味しさを広めるためにハードルを下げる 実店舗はコミュニケーションの場に

金子 パッケージや冊子などにもこだわりがありますね。

下村 私たちが代々木でコーヒー屋をはじめたとき、ちょうどサードウェーブコーヒーのブームがありました。そのときに、コーヒー屋のブランディングやクリエイティブのコモディティ化、訴求の文脈にずれを感じていました。どこも生産者をフィーチャーする売りかたで、それでは敷居が高いと考えたのです。たくさんの人に美味しいコーヒーを広めていくには、もっと気軽に入りやすい形にしたほうが良いと思いました。それが現在の特徴のひとつになっているファッション感覚で買える、ちょっとおもしろそうなところです。これを買って「Instagramにアップしたい」など、気楽な感覚で美味しいコーヒーに触れてもらうことが重要だと考えています。その意味も含めて、パッケージなどには写真を撮りたくなる、共有したくなる仕組みを作っています。

 まずは興味本位で始めてもらう。生産者などの難しい話は少し置いておいて、消費者として楽しんでもらうのがスタートです。スペシャルティコーヒー自体はしっかりとエコシステムになっていて、環境にも良く、SDGsにもつながります。消費者が無理なく楽しむことで、自然にそのサイクルにつなげていきたいですね。

金子 サービス開始から約2年が経過しました。振り返ってみていかがですか?

下村 ベータ版のときは、完全に私が欲しいと思っていたものを、そのままプロダクトにしていました。そのとき、私はコーヒーのヘビーユーザーで、コーヒーが好きな人はあれもこれも必要だと思ってサービスに反映していました。でも、世の中全体を見渡すとコーヒーのヘビーユーザーばかりではなく、ライトユーザーにはまったく届きませんでした。

 それから、ユーザーインタビューなどを繰り返し、世の中が求めているものを考えました。それをふまえて作ったのが現在の正式版になります。正式版を開始してからは、とても手応えを感じています。市況としてもコロナ禍と重なり、一気にベースを作れたと思っています。正式版の開始から10ヵ月ほど経過しましたが、また新たなニーズも見え始めていて、これから新機能もリリースする予定です。

金子 東京・目黒のオフラインストア(実店舗)についてお聞かせください。

下村 代々木で始めたコーヒー屋は、ビルの3階にあって入りにくいお店でしたが、多くのメディアに取り上げていただきました。「リアルな場所がある」というのは、メディアとしての力が強いとそのときに感じたのです。今回、PostCoffeeも正式版をリリースするタイミングで絶対に店舗を作りたいと考えていました。メディアの記者の方が取材できる場所があるほうが強みを発揮できると思いました。

 店舗を作って改めて感じたのは、お客様が来店し、私たちとコミュニケーションを取っていただけることの重要性です。やはり自分たちの言葉で直接お伝えできるのは強いですし、フィードバックをいただきプロダクト改善の場としてもワークしています。

東京・目黒にあるPostCoffeeのオフラインストア

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連載:金子洋平のおしゃれEC通信

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