チャットボットが露わにする「企業の色」解約しても愛されるお店へ
「解約率の改善を目指すが、無理には引き留めない」という明確な目的を持ってツールを探し、自ら検分してRobeeを導入した北島さん。狙いどおりの成果が期待できそうだが、新たな気づきはあったのだろうか。
「解約理由について、『購入したものの飲みきれず余っている』がもっとも多いだろうということはわかっていましたが、Robeeの導入により解約理由の7割を占めることが明らかになりました。Macbee Planetさんにおうかがいしたところ、アンケートはちょっと良い感じに書く傾向にあるそうです。そうなると『余っている』は、私たちの思う量ではなく、商品が届いた時点で満足し、開封していない可能性もあるなと想像しています。また、解約の際にお客様が嫌悪感をもってやめているわけではないこともデータからもわかってきました。解約されるお客様のアクセス時間にも傾向が見えており、自分たちがイメージしていたペルソナと違う部分も出てきたのがおもしろいと思っています。今後、さらに情報が増えてくればお客様へのアプローチに活かしていけますから、データの蓄積が楽しみです」(北島さん)
「エリカ健康道場様のお客様が解約される時間帯で多いのは、朝の9時とお昼の12時で4~5割を占めます。私たちが持つデータによると、多くの通販企業において22時~24時までの2時間がピークであり、全体の6割を占めるため、エリカ健康道場様が特殊であることがわかります。推測するに、余っていることに気づくのが朝の9時とお昼の12時で、そのようなライフスタイルを送っていらっしゃるお客様が多いのでしょう。ならば、朝の時間帯に飲んでいただくにはどうしたら良いかという発想で施策を打っていくことで、解約率は改善されていくのではと考えられます」(佐野さん)
直近では、小さいサイズの商品を開発する、手軽に摂取できる形態にするといった取り組みをし、ゆくゆくはリアルの断食道場で体験するような提案プログラムの開発にも取り組んでいく考えだ。
さらにRobeeの導入により、北島さんは「お店のありかた」を見直すきっかけになったと言う。
「チャットボットというと最先端のツールのように思われがちですが、非常に泥臭いもの、リアルな接客に近いと感じています。私たちがECを始めた頃、楽天市場に出店していた人たちは『商品をどう売るか』よりも『お店を好きになってもらう』ことを核にしていました。たとえば梱包ひとつとっても、テープをどのように貼ればお客様が剥がしやすいかにこだわるといった具合です。Robeeの活用やデータを深堀りすることにより、会社の色が顕著に表れてきます。ある商品の定期購入を解約することになったとしても、お店のことは好きなまま、別の新商品の案内がそのお店から来たら、『あの「なちゅまるくん」のお店よね』と思い出していただき、またご縁がつながる、そんなお店を目指していければと思うようになりました」(北島さん)
「梱包のお話がありましたが、エリカ健康道場様は社内にロジスティクス部門を置かれ、本当に素晴らしい気遣いをされています。そういう通販企業様は、今後も残っていくと思います。Robeeは解約防止をお手伝いしますが、お客様が解約される際にも、お店の真心や思いが伝わるようなコミュニケーションツールでありたいと思っています。お問い合わせをいただく企業様の中には、『何がなんでも解約を止めてほしい』、『解約ボタンはいらない』といったオーダーをされるところもありましたが、残念ながら、そういったお考えのお客様はお断りさせていただいています。
北島社長にも共感いただいたコンセプトですが、解約の理由をきちんと把握し、対策し、なくしていけば、いずれ誰も解約しなくなりますよね。現実的には難しいですがそれが理想だと思います。リテンションマーケティングは、解約を止めることにフォーカスされがちですが、お客様の声を真摯に受け止め、商品開発やプログラムの改善に務めるというシンプルなことに尽きると思います。コロナ禍でECの利用が急増しました。何がなんでも解約を引き留めるといった通販全体にマイナスイメージを与えるやりかたが是正され、消費者が何を買っても喜べる、そんなEC/通販業界を作っていくお手伝いができればと考えています」(佐野さん)
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