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One to Oneメールマーケの新しい標準 「シナリオメール」の効果と実践のコツ

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2020/02/26 11:00

課題は「運用負荷」 複雑多岐にわたるシナリオ運用は担当者の負担が大きい

――反応によって送るメールの内容を変えることは有効そうですが、その分配信するメールの種類は増えるのではないのでしょうか。

五十嵐 まさにそのとおりで、シナリオの本数や分岐点が増えるほど、メールの配信設定を行う工数は増えます。たとえば、1本のメール配信への反応の有無をもとに分岐するシナリオを構築する場合、元となる配信に加えて分岐先の設定を行うため、都合3本分の配信設定が必要となります。そこからさらに分岐点を増やしたり、複数のシナリオを並行して運用したりすると、工数は膨れ上がってしまいます。

それでも、シナリオメールの配信は先述のとおり高い効果が見込めることから、近年盛んに採り入れられています。一因として、シナリオに基づく配信を自動的に行えるMAツールの普及が進んだことも挙げられるでしょう。

――2010年代中頃から、日本でもMAの導入が盛んになりました。

五十嵐 MAは見込み顧客の成約確度に応じ、ナーチャリング施策およびそのパーソナライズを自動化できる仕組みで、もともとはBtoBのセールステックとしてアメリカで普及が進んだツールでした。近年は日本においても、営業活動の効率化という観点からMA導入が進み、高度な運用によって実績を伸ばした企業も多数あります。

――では、MA導入によってシナリオメール実施のハードルは下がったのでしょうか。

五十嵐 効率化に成功した企業が多い反面、十分な成果を上げられないパターンもあるようです。

 MAは高機能で詳細なスコアリング、セグメントが可能な一方、習熟には相応の手間と時間がかかると言われています。顧客情報や行動履歴等のデータをもとに分析しようにも、社内でそれらのデータが一元的に管理・運用されていない場合、MAツールに取り込むにあたってデータの取りまとめや整形が必要で、そのために既存の運用を見直すなどの手間が発生する場合もあります。

 メール配信も同様ですが、マーケティングツールの運用担当者は多くの場合、他のマーケティングや販促業務と兼任していることが多く、ひとつの工程に多くの時間を割けないという制約も存在します。データの整理や、ツールの習熟に十分な手間をかけることができなかった結果、高機能なMAツールを利用していても、シンプルなメール配信しか行えてないというケースも少なくありません。

――つまり、担当者の運用負荷がシナリオメール施策のボトルネックとなっているのでしょうか。

五十嵐 そのような側面はあると感じています。せっかく高い効果を見込める施策にもかかわらず、手間がかかることを理由に手を出せない企業は多いのではないのでしょうか。MAツールの場合、導入や運用のコストも含めて考える必要もあります。


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