日本のネット普及とともに歩んできたGMOグループの歴史
GMOインターネットを中心とするGMOグループといえば、上場企業が多いことで知られる。
親会社のGMOインターネットを筆頭に、子会社のGMOアドパートナーズ、GMOペイメントゲートウェイ、GMOフィナンシャルホールディングス(HD)、GMOクラウド、GMOペパボ、GMOメディア、GMOリサーチ、GMOTECHと、上場会社は9社を数える。
コーポレートガバナンス(企業統治)の観点から親子上場の解消に動く企業グループが目立っているだけに、GMOグループの動きは異例といっていいだろう。
たとえば、パナソニックは三洋電機や日本ビクター、松下電工、パナホームといった上場子会社を抱えていたが、現在の上場企業はパナソニック1社である。上場子会社が20社を超えていた日立製作所ともなれば、4社にまで減少させてきた。
事業の選択と集中にともなうグループ内再編や事業売却などを進めたという要因も大きいが、親子上場は確実に減少傾向にあるだけに、GMOグループの今後の株式市場での対応には注目しておきたい。
GMOグループのビジネスを確認しよう。
グループの中核企業であるGMOインターネットの出発は1991年。ネット黎明期に産声をあげた会社だ。95年にはアクセス事業、97年にはサーバー事業を開始。同社は日本におけるインターネットの普及とともに歩んできたといっていいだろう。
ヤフーが情報検索サービスをスタートさせたのは96年。エム・ディー・エムとして出発した楽天が、ネットショッピングモール「楽天市場」のサービスを開始したのが97年である。GMOインターネットは、会社としてはヤフーや楽天の先輩でもあり、ネット事業では同期ともいえるだろう。ただし、ビジネス路線はヤフーや楽天とは異なる。技術系のネット企業だ。
GMOインターネットの事業概要
表にまとめたように、GMOグループの事業は「インターネットインフラ事業」「インターネット広告・メディア事業」「インターネット金融事業」「仮想通貨事業」「インキュベーション事業」の5つに大別できる。展開する事業のターゲットは「法人」「個人」「EC事業者」と全方位である。