購入完了率が飛躍的にアップ! ウェブ接客の多彩な事例を紹介
ウェブ接客の一例として、商品取扱数が多く、選べないユーザーをサポートするための情報収集・選択支援を行うワコールの事例が紹介された。大量の製品のなかから選びやすくするためには、ある選定条件をもとに絞り込みを行う必要がある。そこで用途別やカテゴリ別など、絞り込みをうまくできるよう提案することで、購入完了率が125%に向上したと語った。
このような体験設計のヒントとして、深田氏は「顧客の行動をトレースすること」を挙げる。たとえば、あるページで動きが止まっているならば、何かに迷っていると想像ができる。そこから迷っている原因や解決策を想像し、施策へつなげていくというわけだ。
また、ユーザーとの関係を深める方法として「機能の利用促進」がある。「お気に入り機能」を使ったユーザーは、そうでないユーザーに比べその後の購買率が上がっていることが明白であれば、同機能の利用へと誘導する施策が有効となるだろう。ニッセンでは、同機能を使用していないユーザーに対して使いかたや使う理由を表示したところ、利用が倍増。購入完了率も115%にまで上がった。ここでも、「そろそろこの機能を使ってもいいかな」と思えるタイミングで提案することが重要だと言う。
ほかにも、前出したコメ兵の「不安払拭」施策や、あるアパレル企業のECサイトで行われた8種類のポップアップを用いた「レビュー投稿推進」施策も紹介された。同施策では、投稿率が179.4%に上昇するだけでなく、リピート購入率が倍に増えたと言う。これは、「レビューで『よかった』という評価をすることで自分の体験を再認識し、良い思い込みを作ることができるからだ」と深田氏は語った。