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顧客体験はパーソナライズで向上 アバナードとサイトコアで実現するエクスペリエンスeコマースとは

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2019/07/09 07:00

リテールもメーカーも 多様な成功事例を紹介

 第二部でまず登壇したのは、サイトコアでコマースを担当する梅田まゆみ氏だ。企業のカスタマーエクスペリエンス向上を成功させてきたサイトコアの事例を紹介する。

サイトコア株式会社 コマース シニアセールスマネージャー 梅田まゆみ氏

 サイトコアが目指す「パーソナライズされたエクスペリエンス」の身近な例として、梅田氏は自身の体験を紹介した。

 「ある日、勤務中にPCでFacebookを開くと私が以前購入したことのあるブランドの新しいワンピースが入荷したことを知らせる動画が流れてきました。ひとまずそのワンピースをカートに入れ、翌朝ワンピースの色を決めるためにスマホアプリでカートを開くとクーポン付きのメールが届いたので、そのクーポンを利用してワンピースの購入を完了しました。その直後、街中で同じブランドの靴の広告をデジタルサイネージで見かけた私はその靴が欲しくなり、カスタマーセンターに電話でさきほど注文したワンピースとこの靴を一緒に購入したいと問い合わせました。コールセンターでは私が何を見て何を買ったかが一目瞭然なので、購入処理を行ってくれ、翌々日にはワンピースと靴が同時に手元へ届きました。私はInstagramに購入した商品を投稿します。消費者はこのサイクルをぐるぐる回しています」

 このケースにおいて、もしサイトで半日おきのバッチ処理が行われて翌朝スマホアプリのカート内にワンピースが入っていなければ、カスタマーエクスペリエンスは途切れてしまう。また、もしブランド側がアプリでワンピースを購入した人物と街中で靴のサイネージ広告を見た人物を同じ梅田氏と認識していなければパーソナライズも不可能だ。パーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを届けることのできるツールがサイトコアにはあるという。サイトコアの「エクスペリエンス eコマース」がまさにそれだ。

 まずは顧客のペルソナを設定し、カスタマージャーニーのシナリオを描く。収集したデータをもとに顧客が心地よいと感じるコンテンツをあらゆるタッチポイントに出す。購買が発生した場合は購買履歴や行動履歴のようなデータをエクスペリエンスデータベースに貯め、経営の資産として分析やマーケティングに活用する。これら一連の仕組みをサイトコアは「エクスペリエンス eコマース」として提供している。「エクスペリエンス eコマース」を利用する企業は、食品消費財メーカーからリテールまで多岐にわたる。ここからは実際に「エクスペリエンス eコマース」を導入し成果を上げた企業の事例が紹介された。

 日曜大工大国オーストラリアのホームセンターでは商品点数とそれに付随するコンテンツの数が多く、顧客への展開方法に悩んでいた。「エクスペリエンス eコマース」を導入したところ、見事なコンテンツアンドコマースを実現させることができた。

 「たとえば『キッチン』というテーマを設け、そこにキッチンのリノベーションを得意とする店員のビデオを掲載します。リノベーションの様子をビフォーアフターで見せ、ビデオ内に登場したツールや部品が自動的にカートインする仕組みを設け、さらにその商品に適用できる10%オフクーポンを配布したところ、コンテンツを売り上げに貢献させることができました」

 Oreoを製造販売しているモンデリーズ社の課題は、消費者とのエンゲージメントの弱さだった。サイトコアがサポートに入り、OREO Music Boxというプロモーションをオンラインで実施した。Oreoクッキーをレコード盤に見立て、一度かじって置くと流れる音楽が変わるという仕掛けを盛り込み、Amazon、中国のマーケットプレイス、自社のオンラインストアで販売した。

 これにより、消費者とエンゲージするためのタッチポイントをばらまくことができただけでなく、Oreoクッキーがただのお菓子としてだけでなくガジェットとしても売れるようになり、ミレニアル世代を惹きつけた。この取り組みから得たフィードバックを製造チームや小売店にも還元することで、新商品の開発や店舗でのプロモーションにも活用することができた。

 パーソナライゼーションで顧客とのエンゲージメントを高めた好事例として紹介されたのは、オーストラリアのオーガニック化粧品メーカーの取り組みだ。サイトコアが構築したサイトはCookieによって訪問者を特定の個人として認識することができる。初回訪問者には企業紹介を行い、同じ人が別の日にサイトへ戻って来た際にこの紹介が繰り返されるのではなく、商品の紹介を行う。この仕掛けによってこの化粧品メーカーは、オンラインのエンゲージメントを5%向上させることに成功した。


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