Googleショッピング広告経由の集客・CVは増加傾向
Googleショッピング広告は、集客やコンバージョンにおいてどの程度の効果が見込めるのか。田中氏は、「アナグラムで運用しているアカウントの実績データのため、あくまで参考程度だが」と前置きした上でいくつか紹介した。
それによると、Google広告全体のコンバージョンのうちGoogleショッピング広告が占める割合は20~30%。Googleショッピング広告経由の訪問のうち、50%以上が新規とのこと。また、広告プロダクトごとのコンバージョン比率について2010年以降の推移を見ると、2011年までは従来の検索連動型広告が100%だったが、2012年からGoogleショッピング広告が徐々に増加。2018年には、Googleショッピング広告と動的リマーケティングを中心とした「データフィード広告」からのコンバージョンが47%以上を占めるまでになっているアカウントもある。
田中氏によれば、こうしたGoogleショッピング広告の成長は「必然的に起こっている」という。
Googleショッピング広告がアツい理由とは
なぜGoogleショッピング広告の成長は必然なのか。田中氏は「Googleショッピング広告がアツい理由」と題して、次の4つを挙げた。
1.目立つ(とくにモバイル)
検索結果の上部などに表示されるGoogleショッピング広告は、テキスト広告よりも圧倒的に目立つ。とくにモバイルは画面占有率が高く、インターフェイスも特徴的。Googleショッピング広告の部分のみカルーセル表示となり、左右のスワイプ操作で複数の商品を表示できる。「クイックビュー機能」では、商品を拡大表示したうえで左右スワイプでショップを切り替えたり、上下スワイプでショップ内の商品や関連製品を一覧表示させることも可能だ。
「目立つのでクリック率が高く、クリック率が高いほど広告の質が良いと判断されるため、クリック単価が安くなりやすいというメリットも生まれます。同じ予算でもより多くのクリックを得られるので、コンバージョンの増加につながります」(田中氏)
2.広告在庫とカバレッジの拡大
カルーセル表示の採用によって、広告在庫(表示される広告の数)が増加。以前は最大8枠程度までだったが、現在は20枠程度まで表示されるようになった。また、広告が表示されるキーワードの範囲も広がっている。ひと昔前は「商品名 通販」のように明確に購入意思があるようなキーワードを中心に広告表示されていたが、最近は商品名単体でも表示されやすくなっている。
「いずれも広告インプレッションの増加につながる改善であり、広告クリックの増加が期待できます」(田中氏)
3.商品詳細ページに誘導可能
たとえば「炭酸水 通販」の検索キーワードで表示されるテキスト広告は、どのメーカー・銘柄の炭酸水が欲しいのかまではわからないので、カテゴリページ(「炭酸飲料」「水・炭酸水」など)にリンクされがちだ。ショッピング広告では、商品画像とともにその商品詳細ページに直接誘導可能。これにより購買までのステップが少ない分、コンバージョン効率が高まる。
4.購買行動の変化に対応
博報堂買物研究所の調査レポート『買物フォーキャスト2018』では、情報量の増大により買物がストレス化し、「選ばない買物」へと向かう生活者の増加が指摘されている。
買物で選ぶことがストレスになると、必然的に検索やリサーチに対するモチベーションも低下していくものと考えられる。
「これからの検索広告は、最初の数秒でどれだけ強い印象を与えられるかが勝負になってくるでしょう」(田中氏)
現状では、検索結果の画面で「一等地」に掲載されるGoogleショッピング広告に一定のアドバンテージがあるといえるだろう。