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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

コメ兵・藤原の「オムニチャネルの次の話をしよう」

「楽しくておしゃれだから」ビームスの自社ECにコーディネート画像が豊富な理由を矢嶋さんに聞く

 コメ兵の藤原さんが、一見ECとは関係ないようにも見える人たちやECど真ん中の人たちとお話しすることで、EC、そして「オムニチャネルの次」を探そうという趣旨の対談シリーズ。第4回は、ブランドサイトとECサイトを統合したり、実店舗の販売スタッフがコーディネートや動画を発信するなどの取り組みで注目を浴びる、ビームスの矢嶋さんが登場です。

ビームスの自社ECにコーディネート画像が豊富な理由とは

コメ兵・藤原さん(写真・左)とビームス・矢嶋さん(写真・右)

藤原 オムニチャネルについては、お客様がスマホから実店舗に入ってくるというストーリーがありますよね。ファッションの場合、コーディネートコンテンツは大きなフックになると思います。ビームスさんは、ECサイトリニューアルの際に、店舗スタッフのコーディネート画像がアップされ(参照)、ユーザーがフォローもできるという仕組みを作って話題になりました。コーディネート画像をスタッフが投稿する取り組みは、いつ頃からですか?

矢嶋 2010年からFlickrに「BEAMS STYLE」というアカウントを持っていまして、コーディネートを中心に約15万枚の画像がアップされています。当時、ウェブのホームページを運営していた部門が始めた取り組みです。

藤原 15万!それはすごいですねぇ。

矢嶋 アカウントを作った当初から、投稿してもらえるようスタッフを教育したとか、それが仕事だと強制したといったことはあまりなく、各スタッフの自主的な投稿が蓄積した結果です。昔のものをご覧いただくと、画像が暗いとかクオリティが高くないものも投稿されていると思います。でもみんな、楽しんでやっていたんですよね。

藤原 まだスマホではなく、デジカメで撮って、PCからアップしてという面倒くさい時代ですよね。それでも投稿は続いた。それも、マーケティングとしてやるぞという号令があったわけではなく、たくさん投稿すると評価が上がるというインセンティブがあったわけでもなく。

矢嶋 はい。おそらく、Flickrという海外発のサービスにコーディネート画像をアップするという行為自体が、おしゃれだと思ったんでしょうね。また、社内の他のスタッフのコーディネートを見たい気持ちもあったんでしょう。Flickrは閲覧数がカウントされますから、それはモチベーションになったと思います。

藤原 なるほど、今で言うところの「いいね!」ですね。それがサイトリニューアルに伴い、自社ECに投稿することがメインになったと思いますが、切り替えの理由はなんですか?

矢嶋 2013~14年のFlickr時代に、ECとしての可能性があると考えて、Flickrから画像をダウンロードし、自社ECに掲載し始めました。画像を投稿した店舗スタッフに「このコーディネートは、どのレーベルの何の商品?」といったことをヒアリングして、ECの商品にリンク付けするという作業を、1点1点アナログで、ECスタッフがやっていました。実際、その画像からのコンバージョンレートが高かったため、もっと増やしたかったのですが、アナログな仕組みだと難しいわけです。

そこで、レギュレーションの変更をお願いして「画像をアップする際に、品番を管理画面に入れてほしい。EC部門ではそれをもとにリンク付けを行いたい」と。そうやって少しずつ連動しながら運用をして、正式にFlickrから自社ECに切り替えたのが、2016年です。

藤原 切り替えのタイミングで、コーディネート投稿を促進するための取り組みを行いましたか?

矢嶋 最初は社内勉強会を開いて、投稿の持つ意味やその将来像を伝えることを何度か実施しました。具体的に、外部からエキスパートの方を呼んで、撮影方法のレクチャーなども行いましたね。半年後には、投稿を促進するためにサイト上でのキャンペーンをやって、その後は奨励する仕組みとして、表彰制度を作りました。また、表彰のKPIは売上だけでなく、いくつかの指標を重ねています。頑張っている個人が表彰されることも重要ですが、投稿作業の間に、接客や商品の補充などをしている別のスタッフの存在もありますから。それを踏まえ、個人部門と店舗部門の表彰も設けました。

藤原 すごいですね。社員のモチベーションを上げるための仕組みを開発するというのは、なかなかできないことです。

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この記事の著者

株式会社コメ兵 執行役員 マーケティング統括部長 藤原義昭(フジハラ ヨシアキ)

2000年自社ECの立ち上げをし、物流からささげ業務まですべてを構築し、全社マーケティングを行いながらオムニチャネルを推進している。 現在はマーケティング部門を統括し傘下にシステム部門、マーケティング部門、EC部門、WEB事業部門、CtoC部門をおさめている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/6491 2019/03/19 07:00

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