将来を見据え、ありたい姿のECを描き、システムと開発会社を選ぶ
ECサイトリプレースの際のシステム選びの基準と、さらにシステム面で留意したいことについて聞いてきた。おふたりが所属する、コマース21の特徴とは。
小山 ECシステムの選びかたとして、客観的な視点でのポイントをご紹介しましたが、やはり、お客様が何をしたいのかが非常に重要だと考えています。それも、直近の売上よりも将来を見据えて、ECの売上をどの規模にしたいのか、マーケティングツールや他の業務システムとの連携をどこまで視野に入れているのか、実店舗も含めた在庫や会員の管理などはどのようにしたいのか。ここを明確にしなければ最適なシステム選定は難しいと思いますので、コマース21では徹底的にヒアリングを行い、お客様に寄り添って解決していきます。
そして「特殊性」について。矛盾するようですが、一般的に特殊だと思われるような要件が、コマース21ではそれほど特殊ではなかったりします。1999年から19年にわたってECシステムをやってきており、10年以上使っていただいているお客様もいらっしゃいます。そういった歴史ある大規模サイトのご要望に長年お応えしてきた実績があるため、「やったことがない」ことが非常に少ないのです。基幹システムとつなげる、実店舗のPOSと連携するといったことが注目された時期もありましたが、そういった大規模EC 事業者の方が望まれることは、大抵経験値を持っていますので、安心してご相談ください。
村松 コマース21では、製品としてECシステムを提供しているだけでなく、自社でECサイトの構築も行っています。よって、なにか新しい機能を作ったらまず自社で試し、そこで得られたノウハウや課題を製品にフィードバックするということが可能です。仮説でシステムを作り、お客様のサイトを作ってみたらうまく動かなかったといった事態に陥ることはありません。また、先ほど申し上げた内製化についても、自社で構築している体制は強みになるのではと考えています。
最後に、2019年も見据え、今後のトレンドとそれに対し、コマース21がどのように取り組んでいくのかを聞いた。
小山 当社がパッケージを提供し、外部のSIerや制作会社さんにそれを使って構築していただく、パートナーとの取り組みを増やしていきたいと考えています。2018年4月に、ECシステムの新しいバージョンをリリースしたのですが、村松が申し上げたマイクロサービスの考えかたで作られており、パートナーの皆さんも開発しやすく、また、トレンドにのっているので魅力的だと感じていただけているようです。パートナーの中には、アプリ開発会社さんもおり、ECも含めトータルで提案したいというお話もいただくので、これまでになかった展開をお見せできるのではないでしょうか。2019年のEC 業界は、在庫、会員、ポイントなど、リアルとの連携がますます進むでしょう。大規模なECであっても、まだまだモールの比率の方が高かったり、ID 連携が進んでいないところは多いです。2019年はそうした企業も実施フェーズに入り、オムニチャネルが当たり前になっていくのではと見ています。