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「EC・通販事業はリピートビジネスである」 収益構造を理解するための3つの効率とは?

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2)リピート引上の効率

 ふたつめは、広告による1度だけのお試し購入で終わらせずに、リピートに至ったかを計る効率です。

 広告掲載品は多くの場合、お試しサイズのトライアルセットであったり、本品をお得なトライアル価格として割り引いて販売しているものがほとんどです。事業者としてはとにかくトライアルしてほしいわけですが、それだけでなく、継続して購入してほしいと考えています。そうでないと事業収益がそもそも出ないからです。

 ここで代表的な指標は、「定期引上率」「定期転換率」「リピート引上率」「リピート転換率」と呼ばれるものです。いずれも広告で集めたトライアル顧客リストを分母に、定期・リピートによる本品購入へと至った人数を分子にすることで算出します。一般的に、オフライン施策で40%前後、オンライン施策で20%前後というのがひとつの目安ですが、やり方次第ではもっと大きく育てることも可能です。

3)リピート定着の効率

 3つめの効率は、定期・リピートへと引上がった顧客が、その後も引き続き満足して購買が発生しているのかを計る効率です。ここは業界的に広く用いられている指標だと十分ではないことがあるため、特に注意が必要です。

 私がおすすめしているのは、リピートの購入回数(F値=Frequency)が増えるごとに、どの程度の人がリピートしているか、離脱してるかを見るものです。「F別推移率・離脱率」と呼ばれます。

 リピートの購入回数(F値)が少ない間は、それぞれの段階での推移率・離脱率が大きく違ってきますので、個別に推移率を算出します。

 F値がある程度深くなれば、どのF値であっても、推移率は同程度へ収束してきますので、その数値を用いて収益構造を試算します。こうすることで、リピート状況の課題が、F値のどこに存在するか絞り込みやすくなり、さまざまなCRM施策の中で、改善着手するべき施策が特定しやすくなるのです。

 もうひとつは、リピート・定期購入化した顧客から、一定期間で発生する平均購買額を表す「LTV(Life Time Value)」や、同じく一定期間に購買発生した人の割合を表す「回転率」などです。LTVの対象期間は本質的な定義では一生涯ということになりますが、現実的な運用では大体1年間で見ることが多く、回転率は1ヵ月単位で見ることが多いようです。

 この場合、注意が必要なのは、LTVも回転率も、様々な変数を複合して算出している指標であるということです。数値変動に対して、一体どの変数が影響しているのか、しっかりと見定めて解釈する必要があります。この点は、事業運用者にとって非常に重要なポイントですので、今後の連載で詳しく解説する予定です。

 それでは、次回もお楽しみに。

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